小樽札幌フェリー大好き旅2021.7


7月某日。火曜日。

夏季休暇をとり、いつもの新日本海フェリーの旅に出ることにした。

出発当日、毎度のことながら、朝からソワソワしている羊好大尉。
魂は、すでに大阪にはなく、先行して札幌時計台あたりをグルグル回っている。

ボスが、「資金の不足が・・・」とか注意喚起しているが、
お札が無いなら、ジャガイモを食べたらいいじゃない!
という、トンチンカンな答えしか返せない。(魂のヌケガラだから。)

部下からは、「羊好大尉、この書類様式だと、どこに印を押せばいいでしょうか?」とか聞かれてるが、
そんなもん、釧路辺りに押せばいいじゃない!
という、答えしか返せない。(魂のヌケガラだから。)

「・・・アタマが北海道にもってかれて、使いモンにならん。えーから早よ、行ってこい!」
と、ボスに見切りをつけられ、夕方早々に職場から放り出された。

よーし、ならば、心置きなく北海道を目指すぜ!(責任感なし)

デッカい旅行カバンを持って、まず梅田地下街へ出る。
フェリー飲みのアテを買い込んでいきたいもんね。

前回は奮発して、大丸でサイコロ・ローストビーフをガサっと買い込んでみたが、フェリー飲みにしては、いささか上等すぎた。

もうちょい、ジャンキーなアテでいいねんけど・・・。
みんな大好き阪神百貨店を探して回るが、現在阪神地下街は改装中で、各店舗は臨時の出店してたり、休店してたり。
しかも、夕方閉店間際なので、品揃えもいまいちだ。
ササッと見つくろい、焼き鳥を何本か買っておく。

夕飯は、丸ビル下の『中央軒』で皿うどん
安定の美味さはさすがでござる。

20時、三ノ宮発の舞鶴港行き直行バス🚌に乗る。
高速バスで2時間の夜旅だ。

ウォークマンで、音楽を聴きながら、バス移動を楽しむ。
仕事終わりで、休暇前夜の、フェリー旅の序章。
この瞬間が、1番好きなのかも!ワクワク感。

高速バスの車窓から、三田の、丹波篠山の流れゆく夜景を眺めながら、HYの曲を聴いて、しみる。

そして22時。今年もやって来ました、舞鶴港、フェリーターミナル。

大きなフェリーの威容に息を呑む。
デッカい!カッコいい!!
フェリー、サイコー!!!

乗船登録は、慣れたもんで、サクッと済ませて。
乗船は23時過ぎ。今は、22時過ぎ。
付近には,コンビニもなし。

新日本海フェリーターミナル待合室のイスに座って、ボケーっとしてるしかない。

この、なんとも言えない、待ち時間の長さが、フェリー旅の醍醐味。

乗船、まだかなー♪と、楽しみにしながら、スマホをいじったり、本を読んだり、缶コーヒーを飲んだり。

ゆっくりと、舞鶴港の時間は過ぎていき、やっと23時15分。乗船開始。

新日本海フェリーはまなす』に、乗船。
平日だとて、乗船客も少ないようで、船室もデッキもガラガラだ。
1年ぶりの船内をウロウロしてみる。

ほうほう、今回の食堂メニューはこんなんね。
物販コーナーはなんかええもんないかなー。
前は、ニンニク醤油味のザンギが売ってたけどね。アレはうまかった。ビールに合ってたなあ。
後方デッキに出て、夜空を見上げてみたり。

船内ウロウロタイムを終え、プロムナードの窓際席に陣取ってみる。
ここで、飲みながらPSPでゲームしよかな、読書続きをしよかな。
沖合に出たら、ネットにつながらなくなるので、今のうちにLINEだメールだをチェックもしとかなくては。

船内アナウンスによると、今回の航海は、時化で、けっこう揺れまくるらしい。
フェリー売店で、『リボンナポリンサワー』、『イカピー』、『ホタルイカの魚醤干し』を買い込み、出港飲み準備完了。

阪神百貨店で買ってきた焼き鳥もつまみながら、出航飲み開始。

アハー、ウメーー。泣きそう。
休暇前夜感と、フェリー出航感が、程よい酔いと相まって、多幸感を増幅させよる。
タマランチ会長ですう!(酩酊中)

フェリー大浴場の開場がアナウンスされたので、ひとっ風呂しにいく。
湯船につかってホコホコ。
入浴後、またデッキに戻り、リボンナポリンサワーをチビチビやりながら、ゆっくり本を読む。優雅やねえ。

村上春樹の『色彩をもたない多崎つくると彼の巡礼の年』を、夜の2時半までかけて、最後まで読む。

読み終えた時に気がつけば、デッキは私以外誰もおらず。

無人の静かな船内デッキで、ひとり佇む。
飲み&ハルキ読書には最適な環境やったなー。

さあて、そろそろ寝て、明日もたっぷりフェリー船内生活を満喫しよか。
おやすみなさーい。

水曜日。

昨夜はけっこうフェリーもぐおんぐおん揺れて、いまいち寝つきは良くなかったが、けたたましいスマホ目覚まし音で、ビックリして目を覚ます。
なんで、目覚ましなんか・・・?

あ!?スマホ目覚ましの設定を、平日通勤のままにしてた!

同室の人(1人だけいた)に迷惑なので、慌てて目覚ましを消そうとするが、船内は暗いし、寝起きでスマホの置き場所もよくわからん。・・・あ、あった!?
慌ててあちこち押したので、今度は非常用警告音が、ファンファン!!ファンファン!!と鳴り響く。

ひえええ!?ど、どうしよ!
こ、こうか、このスイッチか、あわわわ。

散々っぱらファンファン鳴らした挙句、ようやく静寂を取り戻した船内。

す、す、スミマセン・・・。

朝から冷や汗かいたあと、顔を洗って歯を磨き、船内レストランで朝食をいただきましょう。
船内レストランは、並べてある皿を、選んで購入するスタイル。朝からお刺身、ビールといくツワモノもいてはる。

私は、無難なモーニング洋風プレートにして、海の見える席に着く。
フム、オニオンスープがおいし。

食後にコーヒー飲んで、ようやくアタマがスッキリしてくる。
・・・そうだ、私は今、海上にいて、小樽へ向かうフェリー船内にいてるんだった。
優雅なフェリー旅の1日のはじまりだ!

コーヒー飲みながらスマホを見るが、日本海の沖合にいるので、圏外だ。

この後、夕方になり、北海道沖合に近づくまで、ネットは一切繋がらん。
本を読むか、PSPでゲームするか、酒飲んで寝ちまうか。お1人様だと、選択肢はあんまりない。

大浴場へ行って、朝風呂。
誰もいない船内大浴場で、ゆらゆら揺れながら、チャプチャプお湯と戯る。

なんて、ステキなリラックス時間なんでしょ!!
ここで、一句。

たわむれに お風呂入りてそのあまり 
熱きに泣きて シャンプーかけぬる

石狩川たくぼっくり 作】


朝風呂でホコホコ湯気をたてながら、オープンデッキの席に座り込む。

PSPを取り出して、不朽の名作RPG『幻想水滸伝』の続きをロード。
セーブデータが、2020年8月19日になっとる。去年フェリー旅行行った時にやってた続きのヤツ。

1年ぶりになるので、どんなストーリーだか、よく覚えてない・・・適当にレベル上げ、金策に走る。
なんにせよ、パーティの装備が揃ってないからな。
金、カネ!!
夢中になってフィールド内をウロウロしてたら、あっという間に時間は過ぎてゆく。

・・・かれこれ、デッキで小1時間ゲームやって、装備もそこそこ整う。こっからは、ストーリーをどんどん進めて、といきたい。

イベントクエは、どこまでいった?山奥の薬師って、どこにいるん?ていうか、ここはどこなん?山奥って、どこの山奥?

ネットもつながらんので、なんの情報もない。
自分でしらみつぶしに歩いて、現状を確認せねば。
えーと、山、山は、と。

熱心にゲームを進めていたら、お昼レストラン開場のお知らせが、アナウンスが流れる。
パブロフの犬のように、条件反射で船内レストランに向かう。ワンワン!!

昼メシは何にしましょうか。
ラーメン、豚丼、カレー・・・よし、カツカレーに決めた!

濃い目ドロドロ系カレー🍛、三元豚のカツ、福神漬が相まって、白米が進むやら進むやら。
オニオンスープも良い仕事してるぜ。

ワフワフ言いながらペロリと完食。
美味しゅうございました。

後部デッキに出てみたら、天候はどんより気味。
海上の波は、なかなか激しめ。
そんな荒波を切り裂いて、フェリー『はまなす』は、日本海を、順調に北上中。

相変わらずネットは繋がらないので、オープンデッキに戻り、イカピーをガリガリかじりながら『幻想水滸伝』の続きに勤しむ。

・・・ふあ、眠なってきたなあ。
昨晩も、そんなにグッスリと寝られなかったし。
このあたりで、お昼寝しましょうかな。
寝台に戻り、3時間ほど、スヤスヤと優雅にお昼寝。

たっぷり昼寝して、スッキリ目覚めたら、夕方の4時だった。
いつの間にか、スマホもアンテナ立ってる。

後方デッキへ出てみたら、右舷に渡島半島が見え出してるべさー。
ついに、北海道の沖合いまで航行してきた!

小樽港まであと4時間ちょい。
18時になって、夕方レストラン開場。

夕飯には、ホエー豚ジンギスカン風定食とした。
味付けはやや薄めかな。そのぶん、野菜の甘味と旨味が引き立つ。
熱々の味噌汁は、夏でも美味しい。白米も進んじゃう。

ゆっくり味わって、フェリーメシを締めくくる。
あー、おいしかった!ごちそうさまでしたー!

船内販売所で、上陸後のホテル飲みのアテを見つくろう。

カルパスと、干しイカ、ホッケ干し。
これをアテにホテルで飲んで、寝ちまおう。

小樽港まで、あと2時間。
小樽港到着、寸前。

楽しい新日本海フェリー旅は、いよいよお終いかあ。
毎年毎度の事だが、小樽に来て、ちょっぴり寂しくなる。

20時45分に接岸。

定刻通り、小樽港到着でござる。
さ、上陸準備だ!

小樽港に上陸。

さらば、新日本海フェリーはまなす!!また来年に!

小樽駅前行きのバスが来るまで、小1時間あるので、フェリーターミナルの待合室でボケーっと待つ。

別に急いでるわけでもないので、スマホいじって待つ。

夜22時前。
定宿、ドーミーイン小樽にチェックイン。

今回は安さを追求し、キャビン室(カプセル寝室)。

北海道で小樽に泊まるとはいえ、夜上陸して寝るだけなので、安さを追求してみた。

カプセルホテルは初めてなので、おそるおそる入室してみたら、思ってたより狭い。
私のような大きめ羊は、寝返り打てるかギリギリだ。
室内の天井も低いので、座ってスマホいじったり、酒飲んだりすることもできない。

カプセルの群体なので、隣客のイビキも丸聞こえだ。
寝る時も耳栓必須、ミニTVを見るときも、備え付けのヘッドフォン必須。

フェリーだったら、デッキに出て、のびのび飲んだり食ったりできるが、ビジネスホテルなので、そんなもんない。

荷物を備え付けのロッカーに放り込み、大浴場で汗を流し、無料の夜泣きそばをいただき、後はホントに寝るだけ。

安いけど、あまりにも窮屈すぎる。

次は、少々高くても、普通の部屋にしよっと・・・。
おやすみー。


木曜日。

北海道、小樽の朝。
カプセル内で早めに寝ちゃったので、朝も早起き。
クソ狭いキャビン室をとっとと出て、朝風呂、朝メシ。

屋内大浴場があり、ビッフェ形式の朝食付だから、狭いの我慢してたんやもんね!

山盛り白米に、イクラをなみなみと乗せて・・・と、いかんいかん。
ホテルビッフェ朝食で腹一杯にしたら、後に差し支えがあるからね。

オカズは控えめに。野菜を多め。
食後にはコーヒー☕️飲んで、ゆっくりする。

活動に必要なエネルギーは補充した。
せっかく早起きしたんやから、早めに札幌に行きますか。
高速バスに乗って、札幌市内へ。
およそ1時間の旅だ。

ウォークマンを装着し、音楽をたのしむ。
車窓から過ぎゆく小樽の街や、石狩湾を眺めながら。
北海道きた感が、ずっしり実感できる瞬間だ。

10時ごろ、札幌駅前に到着。

荷物を駅前のコインロッカーに放り込み、地下鉄を乗り継ぎ、円山公園駅へ。

今回の札幌旅行の真の目的は、じいちゃんばあちゃんのお墓参り。
山奥の寺に行くバスは、さっき出たばかりのようだ。
次は、1時間後やなあ。

山の中にあるので、歩いて行くわけにもいかんし。
やむを得ん、タクシーでサッと行くか。

薬王寺ってとこまで、お願いします。
「ん?寺?やくおう?どこにあんの、それ」
と、頼りないタクシー運転手に、スマホを見せてここです、ここ、と指し示す。

「はあーいー」
と、わかったんかわかっとらんのか、よくわからん返事を返してくる運転手。

乗車してしばらく、懐かしの円山公園を窓から見てたら、運転手が、
「お客さん、そのお寺は行ったことあんの?」
と、ボソッと聞いてきた。
ええまあ。4、5回は来てますけど。

「ふうん、あ、そーおー」
と、測りかねる返事がまた返ってきた。
って、オイ!いざとなったら、私に道案内させよ思うてるやろ?ナビを使えよ、ナビを。

「ここ、右いくの?左?」
と、山の中の分かれ道で、やっぱり運転手が聞いてきた。

・・・うーーーん、前もこの選択で間違って、えらいとこ行ってまいそうになったような・・・。
さっき見たスマホのバス停名が『宮の森シャンツェ前』だったようなので、左で!

「あいーよー」
と、タクシーは左の道を行く。
さすが、道民・羊好大尉。なにしろ、札幌市内のタクシー運転手に、道を教えてるんですからな!

フフフ、と得意げに鼻をピクピクうごめかせながら、スマホを見てると、なにやら様子が変だ。

目指すお寺から、どんどん遠ざかっていっとるような・・・デジャヴが!?

ちょ、運転手さーーん!ストーップ!そして、Uターン!
さっきの分岐に戻って!道、間違えた!

「あいーよー」
と、タクシーは逆戻り。

思い出した!次は道なりに真っ直ぐに!
とにかく、ずーーっと真っ直ぐ!脇道があっても気にすんな!バス停が目印だ!

とか、ギャーギャーゆうてたら、ようやく山中のお寺『薬王寺』に到着した。
よかった、ホントによかった。
そのままあっち行ってたら、スキージャンプ場に到達するとこでした。

冷や汗をかきながら、『薬王寺』に入って行く。
こんちわーー。

勝手知ったるなんたら、と、正面玄関からズカズカと寺に上がり込む。

どもー、羊好大尉、お墓参りに来ましたー。
あ、お構いなく、全て心得ておりますので、勝手にやりますので。

お墓は、箱入り仏壇なので、ハコを開けて、ふた取って、水入れを水道持ってってザッと洗って。

引き出しから線香とロウソクを取り出す。

ん?前来た時と、中身変わっとらんやんけ。
札幌市内在住の伯父さん一家は、なにしとんねん。

ブツブツ言いながら、さっき買ってきた新しい線香とロウソクを入れ替え、何本かに火をつける、と。

マッチ、マッチ・・・って、前もあった焼肉屋のマッチ!
仏壇に、焼肉屋でもろたマッチなんて入れんなよ。

ホンマになにを考えとん、とブツブツ言いながら、線香を3本差し、チーン!とりんを鳴らして手を合わせる。

じいさん、ばあちゃん、叔母さん、お久しぶりです。
京都から、ヒマな羊好タクが参りました。

目を閉じて、現状報告とご挨拶。
死者と、無言で会話をするひととき。

・・・ム!いかん、帰りのバスの時刻だ!
では、ヒマやったらまた来ます!
道民アイデンティティを、なんかしら確認しに!
よし、かーえろ、かえろ!
と、ケロケロ言いながら慌ただしく仏壇を格納し、ゴミをまとめて捨てて、水洗いし。

バイならーー!と、疾風のように去ろうとしたら、寺のお母さんにガッシ!と引き止められた。

あう!あの、バスがですね、来ちゃうから!

「どっから来たのん?京都から?ありゃまあ、遠くからわざわざ!感心かんしん。いいから、お茶飲んだらいいべやー」

あのー、ご厚意はありがたいのですが、帰りのバスがですね。

「ほれ、参拝台帳に、姓名官職を記載するべ。これ、当寺院の掟なんだべさ」

ウソつけ!前来た時は、そんなん無かったよ!
わかった、わかりました、書けば良いんでしょ、書けば!

羊好タク大尉、と乱雑に書き殴り、お茶もヤケドしそうになりながら一気飲み。靴をつっかけ、走る!!

バスはーーー!

モチロン、とっくに行っちゃった。
次は、1時間後・・・。

嗚呼、しかも、ポツポツ雨降ってきた( ; ; )
山の中では、タクシーもこん。
歩いて帰るにも、クマが出没するというし。

どうしたもんか、と頭を抱えてたら、ピカッ💡と閃いた。

先日、『didi』ってタクシー配車アプリで、初乗り無料8月までやってんでー、とボスが教えてくれたのを、思い出したっ!

早速、アプリを開いて試してみたら、なんて簡単な操作か!目的地をタッチするだけで、私の現在地を発信し、近くのタクシーが迎えにくるシステム。

5分もしたら、タクシーがやってきた!
旅行先では、ディディって重宝するなー。いいなー!

また、機会があれば、利用してやろ。

タクシーで、円山公園駅まで戻り、地下鉄を南北線に乗り換え、澄川駅へ。

札幌に来たら必ず寄るラーメン屋の名店『純連』へ。
今回は、味噌ラーメンを食す。

小腹もすいてて、味噌のスープが、体に染みるう!ちぢれ麺も味噌に絡んでうまうま。

ナイスなラーメンランチなのでした。

ラーメン食って、さてどうしよか。

天を仰ぐと、どんより雲が流れている。
予定では、漫画『波よ聞いてくれ聖地巡礼のため、『藻岩山ロープウェイ』にのって、藻岩山展望台に登ろうとしてたが、もう山の中はいいや。
山は雨も降ってくるし。

地下鉄に乗りながら、札幌駅前のお気軽に行ける名所を検索。

お。これや!雪印パーラー本店に行こう。
前から美味しい、行った方が良い、と言われてたが、行けてなかったのよね。

札幌駅から歩いてすぐ。雪印パーラーに到着。
店頭のディスプレイの前で、腕組みして悩む。

なあに?このデカいパフェ?メガホンくらいあるやん。
こんなもん、1人で全部食えるわけない。

私としては、小さめの丸いアイスと、アメリカンコーヒー☕️飲めたら良いのに。
こんな巨大なパフェは、無理むり。

しかし、ディスプレイをザッと眺めて探しても、どれもこれもデカパフェばかり。
子供用のとか、ないのかね?

不安になりながら、とりあえず入店してみる。

「お1人様で?はあい、お好きなお席にどうぞお」
と、かわいらしい店員ちゃんに言われたので、隅っこの方にコソッと座る。
店内は結構ガランとしていて、向こうに女子2人連れが、キャピキャピ言いながらパフェを食べてる。

メニューを渡されて、じっくり改めて見てみたら、やはり9割はデカサイズパフェ。
お、でもコーヒーと丸アイス🍨セットもある!
このセットくださーい、と言いかけ、グッと思いとどまる。

いつの間にか、向こうに座った地元のオジサンが、メニューも見ず、迷う事なくデカパフェを注文、さらにトッピング、アイスコーヒーを注文したのが聞こえてきたからだ。

え・・・あのデカパフェに、トッピングまで!?しかも、アイスコーヒーですって!?冷たすぎて、心臓止まりそう。
いや、それが、真の雪印パラリストなのですね、師よ。

羊好大尉も、道民の端くれ。師に続きます!!
すみません、『スノーロイヤルパフェ』をひとつ、下さい!でも、コーヒーはホットで。

運ばれてきた『スノーロイヤルパフェ』は、予想通りデカかった。
食うても食うても、全然無くならん( ;  ; )
所詮は、京都育ちのみやこびとである羊好大尉には、高すぎる剣峰なのか・・・。

向こうの席の女子たちは、ケラケラ笑いながら、デカパフェをひょいひょい食べ、みるみる減ってる。
な、なんで!?冷たいアイスをどうやってそんな?

クッ・・・あんな小娘どもに、負けてられるか。
雪印パーラーのパフェは、おいしーなーー!(ヤケクソ)
と、必死でホットコーヒーの力を借りて、パフェを流し込むのでした。
美味しかったんですよ、パフェは。
量が尋常じゃないというだけで・・・。

そもそも、味噌ラーメンの後に、デカパフェ食うのはどうなんだ?食い合わせ悪そうやけどな。
と、たぷんたぷんの腹ごなしに、札幌市内をぶーらぶらする。

お、北大植物園がある。入ってみよ。

チケット代を払って、植物園に入場。
行き届いた手入れをされた芝生が広がり、ライラック並木が続く。

小道をゆっくり歩くと、林が続き、札幌市内とは思えない。
昼過ぎだとて、人っ子ひとりいない園内を、ゆっくりと散策。静かだ。

ライラック並木から、北ローンと呼ばれるエリアへ。
じっくり探したら、エゾリスとかもいそう。
反対側のエリアは、温室とかあって、いろんな植物が展示してるらしいが、そゆのんにはあまり興味がない。

サクサク、と足音をたてながら、木影をふみ、歩いてく。
小1時間も園内を歩き回ってただろうか。

そろそろ、のどもかわいてきたので、行きましょか。
植物園も、非常事態宣言の明後日から閉園するらしい。

入れて良かった!とてもステキな場所でした。
道民は植物が好きやしなー。
夕食は、『根室はなまる』回転寿司と決めていたので、夕方早めに店に行く。

早めに店頭予約をしとかないと、時間がかかるからな。
あまり遅いと、この後の予定に差し障る。

・・・と、思ってJRタワーのレストランフロアで、立ち尽くす。

『本日、臨時休業です。』

マジですか?なんか、私悪いことした?ねえ!
と、錯乱する。

い、いったん、撤退しよう。
衝撃が凄すぎて立ち直れん。雪印パーラーなんか行っとる場合やなかった。
とっても楽しみにしてたのに!はなまる寿司!!
うわーん( ;  ; )

半泣きになりながら、とりあえずホテルにチェックインする。ネットで別の寿司屋を探そう。

ゔーむ、候補はここと、ここか。
ここは、多分前行ったとこやな。あんまりやった。
ほな、消去法でここやな。

回転寿司『四季彩亭』に行ってみましょう。
『四季彩亭』は、そんなに混んでなく。
混んでたら、寿司は諦め、スープカレー『らっきょ』にするつもりだったが。

ネタは普通。ちゃんと美味しい。
さすが札幌市内の中心部にある、回転寿司屋だ。
サンマの炙りとかもあり、美味かった。
エンガワワサビの軍艦巻きもとても美味しく。

残念なんは、コロナ営業の影響で、ノンアルコールビールしかないことか。
寿司屋は特にお酒が美味しいのにね。

夜は、札幌シネマフロンティアにて、『FGO終章冠位時空神殿ソロモン』を観に行く。

バビロニア』『キャメロット前・後編』そして今回の『ソロモン』と、スマホゲーム『FGO』のアニメ化3部作最終章だ。

ちなみに、去年の夏は、ここでfate本編の3部作の鬱アニメ映画を観て、各方面から、
「札幌くんだりまでいってアホとちがうか」だの、「鬱アニメを札幌でみてんじゃねーよ」だの、「せめて、すすきので英霊召喚してこい」だの、さまざまな物議を醸し出したものだが、そんなん知ったことか。

コーラを買い込み、札幌近辺の大っきいお兄ちゃんとか、お姉ちゃんに混じって、着席する。

最終章なので、これでもか、これでもか、とヤマを作ってくる。
相棒マシュが、キュンキュンさせるような寂しいことをいう。
主人公藤丸くんも、ピュアなセリフで、キュンキュンさせてくる。その度に、おっきいお姉ちゃんたちが、えぐえぐ嗚咽しとる。
召喚バトルも英霊も、かっけー!

・・・いやーーー、おもろかった。(感動)
札幌で観れて、ヨカッタ!
FGO『ソロモン』映画を観て、しみじみ思いながら、JRタワーを降りて行く。

映画の感想戦がしたいが、私は孤独な旅人。
それも叶わぬ身なれば。

京都に帰って、いずれ後輩パンダ軍曹とボイスチャット感想戦しようっと。

ホテルに帰って、氷を山ほど用意し、コンビニで買い込んできた御当地サワーを飲む。
フェリーで買ってた、イカだのホッキだのをアテをに、チビチビ飲む。

やはり、カプセルより、普通のホテル部屋やなー。
のびのびできるもんな。

飲むの飽きてきたら、大浴場行ってのんびりお風呂。

せっかくなので、すすきのの生ラムジンギスカンの店もいきたかったが、コロナ禍では夜遅くまで開いてないやろし、酒もなけりゃなー。

でも、そのせいで旅費とか宿泊費はいつもの半分以下の安さではあった。

こういう札幌旅行もアリでんな!

金曜日。 

天気は良好。
ホテル内大浴場で、朝っ風呂。そして朝食。

後は、帰るだけだが、千歳空港をウロチョロして楽しみましょう。

11時ごろ、新千歳空港に到着し、その足で土産物を買い漁り、千歳空港内郵便局で、荷物と一緒に家に送りつける。

ランチは空港で、と決めてたが、いつも同じジンギスカンでは飽きてくる。
んー、今日はスープカレーにしましょう!

スープカレーlavi』で、野菜とやわらかチキンのスープカレーを注文。

骨付チキン、やらかい!スプーンでツンツン触るだけで、ボロボロ肉がほどけていく。

野菜、チキン、と交互に食べる。
スープカレーって独特な食べ物やなー。
昼前で、そんなに腹も減ってないので、こんくらいのアッサリ具合でちょうどいいや。
うまーーい!
食後のアイスコーヒーが、汗をひかせる。
冷たくて、おいしい!

ゆっくり、新千歳空港内をぶらぶらし、peachな飛行機に乗って、夕方に関空に着陸。
フェリーと違ってあっという間に。

大阪に帰ってきちゃったな。
今までいた、涼しすぎた札幌が、ウソみたいだ。

さ、京都にカエロ!

【おしまい】

ゴールデンカムイ聖地巡礼鉄道の旅2022.9(4日目)

4日目。

昨日は七飯大沼公園五稜郭などを2万歩以上歩き回って疲れてたのか、ホテルで夜ぐっすりと眠った。

今回投宿した『ホテルリソル函館』は、スカッシュや、卓球、ダーツにビリヤードなど、ホテル内のレクリエーション施設も充実したので、そんなんでも遊んでみたかったが。

10階の展望レストランで、早朝の函館市内のステキな景色を見ながら、ホテルビッフェの朝ごはん。

海鮮丼、焼きトウモロコシ、ホタテバター焼き等の北海道メシを堪能する。
美味し、おいし!!

「今日は、函館旅行最終日。朝から『土方・啄木浪漫館』行って、お昼ごはん食べて。あとは函館空港で、お土産買って・・・」
ビッフェ朝メシをパクつきながら、山猫少尉と本日のスケジュール確認。
・・・あーあ、帰りたくないなー。

あー、そうだ。バスの時刻表とか見ながら、不意に思い出したんやけど。

「(パクパク)なんですか?名残惜しいから、もう一回、ラッピ行きます?」

いや、そうではなく。
聖地巡礼の地のひとつ、『旧ロシア領事館』に行くのを、我々すっかり忘れてたんよね。

「・・・!?ホンマや!!アタシも、完全に忘れてた!!」

五稜郭の前か後に領事館寄る予定だったはずが、歩き疲れてハラヘッタので、すこーん!と、とんでたね。

「スキヤキ!スイーツ!と、連呼しながら、道を歩いてましたもんね。その時間帯・・・」

今日は、この後の予定と飛行機の時間があるから、たぶん領事館寄るのはムリかなあ。やっちまったな。

「んー、でもまあ。少し悔いを残しておけば、また次の旅行に繋がりますもんね!今回はサッパリ諦めましょう」

ということで、『旧ロシア領事館』観光は、なかったことにされたのでした。
けっこう、重要な聖地巡礼ポイントなんだけどね。
ま、いっか。

函館は、今日も、いい天気だ。

朝からバスに乗り、ちょっと早めに到着しました、『土方・啄木浪漫館』。

函館日日新聞社で活躍した、石川啄木と、土方歳三箱館戦争をテーマにした、浪漫あふれる資料館だ。

到着が早かったので、まだ開館してへん。
近くの、啄木小公園を散歩しとこか。

それにしても・・・この浪漫館の外観よ。
前身はスロット専門店っぽいなあ。

啄木小公園の階段を降りると、津軽海峡に面した砂浜が延々と広がっている。

えー!?なにこれ。白浜が!?砂浜が!
「スゴーーい!!キレイな浜やー」
山猫少尉と、青く広がる海をみて、感嘆!

嗚呼、こんなキレイな海浜があるなんて、予想もしてなかった。
ここで、一句。

北海の スロ屋の裏の白砂に 
我泣きぬれて カネとたわむる

石狩川タクぼっくり 作】

「豪快にパクってるなあ、タクぼっくり先生」
と、山猫少尉の寸評をいただく。

タクぼっくり先生と、山猫少尉で、波打際で、石投げあそび。
砂浜に、木の枝で、書くメッセージ。
「SDGs・・・」

この浜は、石川啄木が、こよなく愛した大森海岸の近くらしく。

そりゃ、公園もあるし、砂浜も整備されとるわいな。
啄木の、銅像もある。

あんまりにも海浜が美しく、楽しかったので、土方・啄木浪漫館のことを、ちゃんと忘れてた。
そういやー、もう、開館しとるし、行こか!
土方・啄木浪漫館に入る。

浪漫館は、ひたすら偉人なロマンを求める館なので、故人の輝かしい功績を評する資料がズラリと並べてある。

啄木が知り合いに金を借りまくった話とか、芸者に金を全ツッパしたとかのゲスエピソードは、
「啄木に援助を惜しまなかった」だの、「真実の愛を抱き続けた」だの、ビカビカに美化されてる。

ゴールデンカムイにも、石川啄木はクソゲス新聞記者として登場するので、羊好大尉と山猫少尉は、あまりの美化っぷりに、「・・・」と、黙り込んじゃうのでした。

土方歳三の方も、そんな感じかな。

土方ゆかりの刀剣(の、精巧なレプリカ)とか、愛用の拳銃(の似てるヤツ)とか、盟友、近藤勇の佩刀(に限りなく近い模造)とかが、所狭しと並べてある。

愛と浪漫(ヒイキ)がすごい。
客観的資料としては、・・・だが。

なにしろ、浪漫館やからね!!!

ロマンと愛があふれてる土方・啄木浪漫館を後にし(けっこうたっぷり楽しんだ)、ホテルに戻る。

ホテルをチェックアウトし、函館駅へ。

函館最後に、昼メシラーメンといこうぜ!
有名な函館ラーメンあじさい』で、函館塩ラーメンをいただく。

(とぅるとぅる)、ウン!塩ラーメン!!美味しい!
ちょうどいい飽きない味やね!

山猫少尉は、「ネギは入れないでください」と、存分に好き嫌いを発揮してたが、ちゃんと美味しそうにラーメンを食べていた。良かったヨカッタ。

一滴残らずスープを飲み干したからには、もう、思い残すところはなし。

函館空港行きのシャトルバス出発まで、少し時間があったので、のんびりコーヒーを飲む。

あーあ、帰りたくないなあ。なんとか、帰らんですむ方法はないものか。(現実逃避)

函館駅前から、シャトルバスで函館空港へ。
20分もしたら、空港に到着してしまった。

空港のお土産コーナーで、あれも買い、これも買い。
この時間も楽しいんだわー。ウフフ。
・・・。

ここには、お土産アイスが無い!どこ探してもない。
函館駅前の土産屋にはあったのに。
どこなの?アイス?ホントはあるんやろ?ねえ!?

ガサガサと、空港内のお土産屋を走り回ったが、結局アイスはなかった。

相当ガッカリしながら、空港の荷物検査所をくぐるのでした。保冷バッグに入れて、持って帰りたかったのに。

伊丹空港行きのJALに乗る。
そんなに大きな飛行機ではないので、席もこじんまりしているようだ。

今回のフライトでは、山猫少尉とは、通路を挟んでの隣同士。

私の隣は女性客で、大きめの羊である私は、横にはみ出ないよう、なるたけ身を小さく細くし、座席でモジモジしてたら。

「・・・私の隣は男性ですから、そっちと席を入れ替えません?」と、山猫少尉が、提案してきた。

なるほど。隣が男性なら、多少は私の肩や横っ腹がはみ出しても迷惑にはならん・・・いや、迷惑やろけど、そこまで遠慮もせんでええし、気は楽やな。

納得して、山猫少尉と、ササッと席を入れ替えた。
隣は野郎とはいえ、迷惑がかからないように、なるべく身を細くして座る、大きめ羊な私。(遠慮のカタマリ)

飛行機は、無事に函館空港を離陸し、水平飛行に入ってしばらくして。
各席の乗客に、飲み物を配ってたJALアテンダントの方に、優しく声をかけられた。

「お客さま、もしよろしければ、前方の席が2つとも空いているので、そちらに移られますか?」

・・・えっ!?いいんですか、うわー、助かるなあ。広々座れて伊丹までゆったりできますね!ありがとうござ!

います、と、言う前に、
「ワタシもそっち良いですか!連れなんで、隣に座りたい!!」

と、山猫少尉が真っ先に席を移動して、前方の席に移動し、サッサと窓際席に座った。

お、オイオイ、アテンダントさんは、窮屈そうな大きめな羊の私に気を遣っていただいたのに、キミってヤツは・・・。

「窓際で、着陸の風景見たかったんやもんね!ヤッターー!ラッキーー!!」
と、頓着なく窓にへばりつく、山猫少尉。

まあ、楽しくおしゃべりしながら、伊丹空港まで行けたからいいんだけどさ。

そんなこんなで、2時間のフライトのあと、伊丹空港に到着。

楽しいゴールデンカムイ聖地巡礼函館旅行は、無事に終わったのでした。

んー、また、行こう!!

【おしまい】

ゴールデンカムイ聖地巡礼鉄道の旅2022.9(3日目)

3日目。

早起きして、函館朝市に繰り出す。
『きくよ食堂』で、海鮮丼モーニングといきましょう。
「ううん、アタシは、三色海鮮丼かなー。ごはんは小で」
と、控えめなことをいう、山猫少尉。
どうしたん?体調悪いんか?

「だって、今日はこの後、お団子食うて、ラッキーピエロいって、スイーツ食べて、すき焼き食うてと、グルメが立て込んでますからねー。まずは様子見や」

ふーーん。慎重なのね。
私は、四色海鮮丼、ノーマルで!!
四色海鮮どーーん!!

ホタテとカニと、ウニとイクラちゃんですう!
これに、ワサビ醤油かけて、白米とかっ喰らう。
たまに、味噌汁。そして、たくあん。あぁ・・・。

美味いに決まってるやろーー!(恍惚)

思ったより、丼ぶりはかわいらしいサイズだったので、そんなに腹いっぱいにはならず。
お値段は、そこそこ。

函館の朝市感を満喫できたので、もう、朝からハッピー!ウフフ!
食後は、函館朝市の各店をブラブラ見て周る。

昨夜、函館山でバカみたいに買い物してへんかったら、バンバン買っちゃってたとこやけど。
見るだけ、スルー、と。

本日は絶好の行楽日和。
スキップしながら、函館駅ホームを歩く。
長万部行き普通電車は、今日も安定の1両編成。
だが、これあることを予想して、早めにホームで待ち構える、山猫少尉と羊好大尉。

それきた!乗り込めーい!

「座席、ゲット!!よっしゃー!」
と、窓側を占拠する山猫少尉。
朝早かったからか、比較的空いてた普通電車にガタゴト揺られつつ、作戦会議中。

今から向かう先は、『大沼公園駅』。

駅前で販売してる名物『大沼団子』が、ゴールデンカムイに登場するので、聖地巡礼の一環だ。

「予定では、大沼団子を食べ、午前中いっぱい、大沼公園の遊歩道をゆっくり散歩するか、池でボート乗るか、レンタサイクルでサイクリングするか、というとこやったんですが」
と、るるぶとにらめっこしながら、山猫少尉が言う。

「コレ読んでたら、大沼公園から近くではないんですけど、『函館七飯ゴンドラ』ってのがあるんですよねー。」

ほほお!?ゴンドラ!

ロープウェイ、ゴンドラ、ケーブルカー等、労せずして山上に行ける乗り物は、羊好大尉は大好きだ。(上り坂とか階段はキライ)
がぜん面白そうやから、乗ってみようぜ!!

「でも、そうすると、12時半頃に、函館行き普通電車の時刻には、間に合わないカモですよ?」
と、練り練り予定メモを取り出す、山猫少尉。

普通が間に合わんかったら、特急乗ったらいいやん。
それより、ゴンドラ!ゴンドラ!!

「まあ、そうですね。んじゃ、予定にはなかったけど、七飯ゴンドラ乗りましょか。晴れてるから、きっと山上の景色も良いですよね!展望台で、お団子食べましょうよ!」

面白そうだったら、すぐにキュッと予定変更して飛びつくのが、我々の流儀だ。

吉と出るか、凶と出るかは、神のみぞ知る。(テキトー)
大沼公園駅、到着。

駅前の観光センターに飛び込み、大沼公園の詳細な情報と、七飯ゴンドラについて、いろいろ教えてもらうことにした。

『函館七飯ゴンドラ』は、駅前から無料送迎バスが出てて、20分ほどで山麓駅に運んでくれる。
山上には、展望台やカフェがあり、なかなかのステキスポットだそうな。

大沼公園は、いろんな遊歩道コースがあり、小1時間で周れるのもあり、と。なるほど。
大沼外周を巡る、サイクリングコースも魅力的だ。
「ちなみに、七飯ゴンドラの割引券をお渡ししてますが、いります?」
と、係の女性が勧めてくれた。

うおー、割引き券!いります!ください!
「ワーイ!割引き、割引き!!」

割引き券に狂喜乱舞する、関西人2人。
駅前の老舗団子屋さん『沼の家』で、名物大沼団子を買う。ゴールデンカムイで、鶴見中尉が食べたヤツだ!

醤油と餡、醤油とゴマの2包みを、分け分けして食べましょう。

「わー、これが、大沼団子かあ。すぐ今食べたいけど、山上まで我慢がまん」
と、写真だけ撮る。
少しお預けした方が、美味しさも増すよね。

しばらくしたら、ゴンドラ行きの送迎バスが来たので、乗っけてもらう。

ほとんど車もすれ違わない田舎道を、よそ見しながらのんきにぶっ飛ばす、バス運転手のおっさん。

「ほれ、アレが駒ヶ岳だわー!山の形は、見る角度で全然違うべや!おもっしろいねー」
だの、
「ここから、ずーーっと、牛の飼料のトウキビ畑が続くんだよー。牛はなまら食うからねー、たくさん作って、太ってもらうんだべや」
だの、頼みもせんのに、アレコレとローカル七飯ガイドをしながら、片手間でバスを走らせる。

お、お願いですから、前見て、黙って運転して!!
七飯ゴンドラに乗る。

・・・うほーーーい!!

好天もあり、駒ヶ岳の威容が眼下に広がる!
これは・・・良きゴンドラだあ!!

山頂駅に到着し、雄大な景色に見惚れる。
正面に駒ヶ岳、奥に見えるは内浦湾。遥か先には羊蹄山
「・・・見晴らしサイコーんとこで、お団子食べましょうよ」
山猫少尉が、大沼団子を広げる。
まさか、こんな絶景を見ながら、団子食うことになるとは。

だから、人生は面白い。
ベンチに座って、お団子を食う。
美味しいね、とか言いながら、小さな団子をハムハム食うてると。

「さ、さっきから蜂が、甘い醤油タレを狙って、ブンブンしつこい!うわーん!」
と、山猫少尉が騒いどる。

私の団子の方にも来て、ちょこちょこ箱の端っこを歩いている、食いしん坊の蜂。
私は別に気にもせず、追っ払ったりもせずに様子を見てると、だんだん大胆になってきた蜂は、欲をかいて、甘だれゾーンに飛び込んできた。

「あーーあ、欲張って、タレでベトベトになっちゃった。この蜂、飛べるのかなあ」

のんきに、団子とお茶で、秋の七飯高原を楽しむのでした。
ひとしきり、美味しい団子を楽しんだ後、少し歩いた先の展望台へ。
絶景写真を撮影したり、鐘🔔を鳴らしたりしたあと、カフェで、コーヒー飲んでゆっくりする。

見晴らし、サイコーや。
函館七飯ゴンドラ、満喫したな!
山上散歩と洒落込んで、後は函館市内に戻るだけやね。

「うーにゃ、まだ時間はあります!下に降りて、大沼公園の遊歩道を目一杯散策しなきゃ!」
と、妙にはりきってる、山猫少尉。

「お団子、ちょっと食べ過ぎたし・・・腹ごなしに身体動かさんと、お昼の『ラッキーピエロ』に差し支えがあるし」

と、ごもっともな意見。
よし、では早速、下山しましょう!(ゴンドラで)

名残惜しいけど、ホント素晴らしかったです、七飯スノーパーク!
お昼過ぎ。おしゃべり大好き運転手の送迎バスに乗り、大沼公園駅前に戻ってきた。

次の函館行きの特急まで、約1時間あるみたい。

「よーし、50分コースなら、電車まにあうやん!早足で、遊歩道をぐるっと歩きましょ!」
猛然と、山猫少尉が、ブンブン歩き出した。
は、速い、はやいて!?大沼周りの景色を見てる間もないくらい、早足やん!
山猫少尉は、ただでさえ歩行速度が速いのに、さらにギアをあげている。

「あの、どんくさい親子連れ(普通に散歩を楽しんでるだけ)を追い越しますよっ!それーい!」
と、前行く親子連れを、ピャッと抜き去る。

・・・あんまり、遊歩道で、前の人を抜かしたりはせんもんやけどね?聞いてます?ねえってば!?

「あの、たらたら歩いてるおじいちゃん(普通に散歩を楽しんでるだけ)連れも、追い越す!そーれ!」
と、前行くおじい連れも、ピャッと抜き去る。

速いて!?こんなん、遊歩道を歩くスピードやないて!?
競歩選手なみの速度で、大沼公園遊歩道を驀進する山猫少尉と、何度も転びそうになりながら、必死で後を追う、羊好大尉。
ああ、こんなウォーキング・デッドヒートを繰り広げると知ってれば、アヒルボートに乗ってたものを・・・時間がないやろから、やめといたんだが。

「団子の腹ごなしやもんね!ホレホレ、うらやましそうにボートを目で追っかけてる場合やないですよ!あえて、コッチに遠回りや!カロリー消費、カロリー消費!!」
と、うなりをあげて、コーナリングする、山猫少尉&羊好大尉。
皇帝ナポレオン率いた、フランス大陸軍(グランダルメ)の行軍速度は、きっとこのようだったのだろう。

ヒーー!早足、キライ( ; ; )
鬼のように、早足で遊歩道駆け抜けたら、40分で周り終えてしまい。
時間があるので、山川牧場のソフトクリームを、ペロペロ食う。
ああ、のども乾いてたから、ソフトクリームがうれしい・・・。

「地図で確認したら、遊歩道を変にショートカットしちゃったみたい。次は、ぐりーーっと大周りでしゅね」
ソフトクリームをペロッとしながら、山猫少尉は語っていた。
次来る時は、断固として、優雅なアヒルボートに乗るとしよう。遊歩道は、時間のある時にね!

大沼公園駅から特急に乗り、函館駅前に帰ってきた。

函館にしかないファストフード店ラッキーピエロ』で、ハンバーガーランチにしよう。
ゴールデンカムイ最終決戦の地である『五稜郭』にも行くつもりなので、市電で『五稜郭公園前』へ。

Gカム聖地巡礼の、核心部分へ向けて、ゴー!!
ご当地バーガーラッキーピエロ五稜郭公園前店にやって来た!!

もう、お昼もだいぶん過ぎてる時間なのに、店から溢れて行列ができてた。
メニューを見ながら、並ぶ。

私は、やはりみんな大好き『チャイニーズチキンバーガーセット』。これに決まりやね!

チャイニーズチキンバーガーに、ラキポテ、ウーロン茶がセットの、最強メニューだ。

「ワタシは、お団子のせいで、そんなお腹減ってないから・・・チャイニーズチキンバーガー単品と、なんかドリンクで。ポテトは、羊好大尉のを少しだけもらおっと。」

と、しおらしいことを言う、山猫少尉。
でも、よう考えたら、ほとんど私と食べる量は一緒なのだった。

レジ前に並ぶ、色とりどりのラッキーピエロ物販に飛びつく、山猫少尉と羊好大尉。

レトルトカレーは、3つで割引きがあるんですって!割引き!わりびき!」
割引きという言葉にめっぽう弱い関西人2人は、争うようにラッピ(ラッキーピエロ)カレーを買い漁る。

カレーなんて、なんぼあってもええからね!
そうだ、ラッキーガラナも買おう!
「アタシは、ラッキーコーヒーを買おう!きび団子も買おう!」
クリスマス前の米兵みたいに、山盛り物販を買い漁る。

ラッピ五稜郭公園前店は、ワンオペなのか、なかなか注文の品が来ない。

フォークを頼んでも忘れられてるし。
私のラッキーガラナも、山猫少尉のコーヒーもなかなか持ってこないし。

忙しそうに走り回ってるラッピ店員に迫り、フォークと飲み物をかっぱらってくる。

「・・・まだかなー、あー、やっときたキタ!」
ラッピの名物、『チャイニーズチキンバーガー』、ホワイトソースとミートソースがかかった『ラキポテ』が、飲み物と一緒に運ばれてきた!
さっそく、バーガーにかじりつく。

チャイニーズチキンバーガー、美味いっ!!
こりゃ、中毒性があるぜ。

「ラキポテ、もーらいっ。うん、美味しい!」
2人とも口の周りをマヨとソースでべとべとにしながら、バーガーとポテトを頬張る。

評判通りの美味しいラッピなのでした。
メニューも豊富で、何度だって来店したいよね!

きっと、また函館に来て食べよう!
ラッピからすぐそこの、五稜郭タワーを登る。
眼下に広がる、五稜郭が美しい。
稜堡や、内部施設を目の当たりにしながら、
あの橋の上が、鯉登少尉と永倉新八が激突したとこや!新撰組、もえー!!とか、

「ソフィアが鶴見中尉と向かい合っての名シーンや!」とか、

「北門から、颯爽と谷垣ニシパが現れて、アシリパと合流したのは、ここかな?」とか、

アレが奉行所の前なら、あの辺りからアイヌの権利書が埋まってたハズ!とか・・・。

ゴールデンカムイ最終決戦の地・五稜郭を目の前にして、大興奮する羊好大尉と山猫少尉。
スマホを取り出し、デジタル書籍でページをめくりながら、

「尾形が潜んでたのは、どの辺りですかね?相手のヴァシリは?あの2人は、こんな離れた距離で狙撃し合ってたってこと!?スゴーーイ!神業やん!?」

五稜郭タワー展望台で、鼻をフンフンさせ、キャーキャー言うてる、聖地巡礼Gカムオタの、イタい2人なのでした。

しばらく、キャーキャー言うてるうち。
いちおう我に返り、歴史的建造物として、五稜郭を見直す。

五稜郭タワー内の展示物を読みながら、戊辰戦争の最終局面、箱館戦争の歴史に思いを馳せる。
最後まで有能な前線指揮官だった、新撰組副長・土方歳三の像を前に、襟を正す。

・・・。

新撰組、もえーー!!(あふれる新撰組愛)
土方歳三、最後の突撃。一本木関門にて。

この、土方さんの函館戦争での戦死が、歴史の闇に葬り去られていたはずの新撰組に光があたり、今も多くの人に称揚され続けてる一因なのだろうな。

ちなみに、ゴールデンカムイ作中での土方歳三の最期も、お涙ものです。

かっこよすぎるぜ、最後のサムライ。

名残惜しいが、五稜郭タワー展望台を降りて、五稜郭に向かう。

五稜郭タワー物販コーナーも魅力的だあ!
キャリーケースに貼る、シールを買ってしまった。
いよいよ、五稜郭公園に入園。

まさに、ここに来るために、はるばる京都大阪からやってきた!
ウキウキしながら、北門から内部に入っていく。

「まずは、中央の奉行所建物に行ってみましょ!」
と、さっき五稜郭タワーで決めた段取り通りに、進む。
函館奉行所

靴を脱いで、中をウロウロする。
そうだ、ARゴールデンカムイキャラをDLして、ご当地で写真が撮れるのだった。

アプリの操作がうまくいかず、よくわからんので、山猫少尉に依頼する。

「えーとねー、設定自体はちゃんとできてるから、ここの『許可する』んとこを、ポチッとしてください。」

おお!函館五稜郭では『土方歳三』が登場するやん!
ヤッターーー!!
函館奉行所に、土方歳三が出現や!
ARで、スマホ写真と合成し、土方歳三を登場させり!

ちょーど、アシリパさんのイラストもあったので、その横に配置させよ。

「アタシも、やろ!!」
と、奉行所を,キャッキャいいながら撮影。
奉行所縁側から景色を眺め。
そろそろ、行きましょうか。

奉行所を出る時に、玄関にでっかい無愛想なツボが3つ並べてあった。なんじゃ、これ?

「ああ、それは、発掘調査した時に、空のまま、玄関口に埋めてあったものなんです。ツボ3つとも滋賀の信楽焼で、なぜそれが玄関先に埋めてあったのか?なぜこんな大きなツボ3つも信楽から函館までわざわざ持ってきたのか?ナゾに包まれているのです」

と、係員の方が説明してくれた。

ほーー?んーー?と、首を傾げる、羊好大尉と山猫少尉。

係員も首をかしげていた。
ミステリーやね。

五稜郭内を、グルッと歩き回る。

そこかしこにある、説明書を読みながら、ゴールデンカムイ作中で、アイヌたちが金塊を埋めていた、馬屋の井戸を探して、歩き回ってたら。
まさに、厩舎の近くに、井戸を埋めたような跡が!!

位置からして、原作の描写からして、ここに金塊が埋められていたのに、間違いない!!

やった・・・。
とうとう、俺たちで金塊を見つけちまったね。


夕方の五稜郭公園内で、感慨深く立ち尽くした。

今日までの苦労した日々が、脳裏を走馬灯のように駆け巡る。

・・・雨のウポポイ。
・・・鳴らないムックリ
・・・ぐにゃぐにゃ木彫。

・・・クマ牧場ロープウェイ。
・・・脱力系女子クマ(23歳)エリカ様。
・・・やる気なし黒アヒル

・・・函館山ロープウェイ
・・・七飯ゴンドラ。
・・・大沼団子。

・・・ラッキーピエロ

・・・。
苦労もなんも、遊んで食ってただけですた。

五稜郭の外郭を、グルっと歩き回る。
そろそろ日も暮れてきて、気温も下がってきた。
鶴見中尉とアシリパの追っかけっこシーンの再現写真撮ったら、五稜郭公園を出るか。

聖地巡礼(函館編)、完了です。
大満足して、五稜郭公園を出る。
日もほぼ落ちて、函館市内に長い影を落としながら、歩き出す。疲れたー。

「今日は、ホントによく歩き回りましたよねー。2万歩以上歩いてるって」
と、山猫少尉が、スマートウォッチを見て言っとる。
2万歩かよ!?そりゃあ、クタクタになるわいな。

「ちょーど良き感じにお腹すいた!」
と、山猫少尉。

おまかせを。ちゃーんと、すき焼きの店をおさえてるから、もうちょっと歩こう。

すき焼きの名店『阿佐利』へ。
すいませーん、予約よりちよっと早いけど、いいですかあ?

ハイボールと日本酒で、カンパイ!!
今日はお疲れ様でした。
極上すき焼きセットで、『Gカムイ聖地巡礼函館旅行編』の成功を打ち上げしましょ!

「ワーイ!すき焼き、スキヤキ!!」
と、山猫少尉は、喜び勇んで肉を鍋に放り込む。
「おっとお、北海道のすき焼きは、タマネギ入れるのね。これはこっちにヨケヨケして、と。」

と、あいかわらずの好き嫌いを、ここ函館でも存分に発揮する、山猫少尉。

すき焼きつついて、お酒飲んで、おしゃべりして。
最高に楽しい聖地函館の夜は、こうして過ぎていくのでした。

【つづく】

ゴールデンカムイ聖地巡礼鉄道の旅2022.9(2日目)


2日目。

苫小牧のホテルで朝メシをいただき、ゆっくりコーヒーを飲む。
今日は、そんなに朝イチからは活動しない。
観光というよりも、移動がメインの日。
本来なら、ウポポイ終わりで函館市へ直行し、函館観光、聖地巡礼を楽しむ予定だったが。

「ちょ、待って!?途中にある登別温泉も、Gカムイに出てくるし!あと、この『のぼりべつクマ牧場』が気になってしゃーない!ここはぜったい行きたい!!」
と、旅程を組んでる時、山猫少尉が、クマにグイッと引き寄せられて、旅程にねじ込んだのだ。

でも、確かに登別温泉なんて、こんな時しか寄ろうと思わんしなー。
ちょっと面白そうなので、途中下車的に、乗っかることにした。
クマ牧場は、まあサッと見るだけ見てさ。
いい時間に函館市内に到着できるように、時間調整して、温泉つかって。
ンな感じで、のんびり行こうよ。

苫小牧市では、まだ朝から少し雨は降ってる。
昨夜の教訓を活かし、ホテルにタクシーを呼び、朝9時頃、優雅に苫小牧駅へ。

「9時半ごろの普通電車で、ゆっくり登別まで行きましょう・・・ん?あり?もとい。10時過ぎですね」
どうやら、山猫少尉作成の事前練り練りスケジュール表に、多少の誤差があったもよう。
でも、今日はそんなツメツメスケジュールちゃうから。
なーんの問題もなし。
駅構内のベンチに座り、ダラダラ2人でおしゃべりしてりゃあイイっす。
とばかりに、雑談に花を咲かせる。

おー、室蘭行きの普通電車、来たでー。
・・・って、え?1両編成やん!?
これ、座れるんかなあ?荷物も多いから、立ちんぼは時間的にキツいが。
運の良いことに、ギリギリ座れた。やったね!
「・・・荷物多いし、隣は大きめの太羊だし!せーまーいー」
と、泣き言をいう、山猫少尉。
贅沢言っちゃあいけません。座れるだけ、ヨシとせねばなるまい。
登別駅まで、1時間ほど、電車に揺られる。

「・・・ぬあ!?ホントは、今回の旅に連れてきたかった『フォゼ尾』(ぬいぐるみ)が、今日自宅に配送予定ですって!?もうちょい早く、配達してくれたら、一緒に来れたのにい!」
と、山猫少尉が、スマホ見て悔しがってる。
フォゼ尾連れてくの、あんなに楽しみにしてたのにねえ。
結局、間に合わんかったのだね。

ガタンゴトン揺られながら車窓を見てたら、だんだん空は明るくなりつつあり、たまに青空も見え隠れするようになってきた。
昼からは、登別、室蘭地方は、天気良くなるみたいだ。
ヨシヨシ!

「あ!?見てみて、車窓から、馬が見えますよ!あっちには牛や!うわー!」
ホンマや!!この辺、牧場が広がってんのな!
と、ようやく北海道らしい光景を見て、興奮する山猫少尉と、羊好大尉。

昨日は荒ぶる風雨で、なーんも見えんかったもんね。

昨日、ウポポイで降りた白老駅を過ぎ。
電車はようやく目的地『登別駅』に到着。

コインロッカー(大)に、2人分のキャリーケースを放り込む。あ、ロッカーのカギは、私が保管しますので、悪しからず。

見上げれば、雨は降ってはないが、ちらほら青空も見え隠れしとるね!よし、出発や!

JR登別駅前からバスに乗り、登別温泉バスターミナルへ向かう。
海岸部から、山道を上がってゆく道のり。

徐々に、雲も流れて、さらに晴れ間が出てきました!

山間部、谷間にある登別温泉バスターミナルに到着。

歴史ある温泉地で、老舗温泉宿、ホテルがズラリと建ち並んでいる。
観光案内所で、本日のメイン目的地である『のぼりべつクマ牧場』行きの往復ロープウェイ兼入場券(往復)を割引き価格で購入。
帰りに寄ろうとしてた日帰り温泉のチケットも、割引価格で購入した。
割引き、わりびき!!

「割引き、やったー!いろいろお得感がありますね!」
と、割引きという言葉に弱い、関西人たち。

ロープウェイ行きシャトルバスに乗り込んで、ふと道の向こう側を、見てたら。

普通にキツネ🦊が、何かを口にくわえて、テッテッ、と足取り軽く、道を横切って歩いていた。

「え!?あれ?あの尻尾・・・キ、キツネですよね?」
キツネ・・・やなあ。どう見ても。

顔を見合わせる、羊好大尉と山猫少尉。
キツネも、野良犬なみに、普通に歩いてるもんなん?北海道では?

のぼりべつクマ牧場行きのロープウェイに乗り込む。
ハイ、ごめんなすって。
「うおお!?太羊の羊好大尉のせいで、ぶわんぶわん、大揺れしてるー!キャー!!」
と、山猫少尉が大げさに叫んでる。静かにしたまえ。
こんな揺れはじきにおさまる。平常心へいじょうしん。


登別温泉まで、バスでだいぶん山の上まで来たのに、さらにロープウェイで上へと運ばれていく。

うわーーーー!!高い!まだ上いく!?スゲーーー!!
思ってたよりはるか上へ、どんどん進んでいく!

あー、出発してきた登別温泉が、あんな小さく!?
向こうには、海も見えてきたでえ!?

遥かに広がる、登別の山々や眼下の絶景に圧倒される。
え!?うわ、まだまだ上がるん??

「す、スゴいロープウェイですね!ナニこれ!?こんな上に行くん?」

正直、チョコっとクマ牧場に運ぶだけのロープウェイや思ってた。
高さもすごいし、距離も相当やで!?
ロープウェイ内で、目を輝かせてキャッキャ言うてたら、山上の『のぼりべつクマ牧場』にとうちゃーく。

ゴールデンカムイ聖地巡礼にゃ、ぜんぜん関係ないんだが(登別温泉は舞台になっている)、せっかく登別くんだりまで来たからにゃー、クマ牧場くらいは見ておこか。

と、あんまり期待せず入場したら、いきなり子熊のエサやりイベントがやっていた。
飼育員が、生きてる魚を水槽に投げると、アホな子熊4頭がキョロキョロしながら追いかける。
「かっ、かわいいいーー!キャー!」
目をハート♥️にした山猫少尉が、スマホで子熊たちの写真をバシバシ撮ってる。

周囲の観客も、子熊たちに声援を送り、写真や動画を回しまくる。
ハッ!?私も動画、動画!

まったく魚が捕捉できないので、とてもアホな子熊は、水槽を出て、ガラス越しに魚を追いかけはじめた。
魚は見えてるけど、もちろん捕まるわけない。

子熊は右へ左へ、魚を追いかけては水槽にパンチ、追いかけてはパンチを繰り返している。

・・・アホなヤツほど、可愛い!!

子熊VS魚の、マンガみたいな追っかけっこを、たっぷり堪能した頃には、もうクマ牧場のトリコになっていた。

クマ、きゃわいーー!!キャー!!

飼育員さんによる牧場のクマの紹介や、オヤツ投げなど、参加型のイベントが楽しいクマ牧場。
メス熊たちは、愛想よくポーズを取ったり、手を振ったりしてアピールするので、これまた可愛い!

急いで売店に行き、小さな球形のオヤツひと袋を買い込み、面白アピールしてるクマに、投げ与える。

そのまま、ダイレクトキャッチして、パクっ!とオヤツを食べるクマ。

観客は、大喜びの大盛り上がりだ!
「ヤバい!!クマ可愛いすぎる!!アタシも投げるー!てーーい!!」
と、山猫少尉が目をハート♥️にしてオヤツをクマに投げる。スパチャみたいになっとんな。

私も、後ろの堂々としたクマちゃんに、ぴゃっ、とオヤツを投げてみたが、少し方向が外れてしまった。

エリカ様(23歳女子)は、外れたオヤツ玉には、見向きもされぬ。
コッチを見て、くいくいっ、と手招きされておられる。

ははっ、今度はちゃんとエリカ様のお口辺りに、放り投げまする。
てーーい!

今度は上手く飛び、エリカ様は満足気にポリポリと優雅にオヤツを食されていた。

「・・・ちょっと、クマ牧場、楽しすぎますね!!」
と、オヤツ玉をぶん投げながら、山猫少尉がケラケラ笑っている。

全くの同意見でがんす。こんなもん、いつまでだっていられる!クマ牧場🐻、サイコー!!

ウヒウヒ笑いながら、羊好大尉も山猫少尉も、クマ牧場を満喫してるのでした。

ヒルのレースにも参加してみる。

「うーん、1番元気がいい、緑の子かなー。よし、緑に1点賭ける!」
と、緑(首輪)アヒルのトリ券を買う、山猫少尉。

私は、あの不敵な面構えの黒アヒルやな・・・。
一見、ヤル気無さそうに見えるが、秘めたる闘志を感じる。アイツは、本番になったら力を発揮するタイプだな。そうに決まった。アイツは、俺だ!(シンパシー)

よし、黒アヒルのトリ券をください!

「えー、やめといた方がいいと思うなー。下向いて全然ヤル気なさそうやし、ビッコひいてません?黒のアイツ」
と、首を傾げる、山猫少尉。

いーや、それは全くの見当違い、いや、胴元の罠やね!
あんなわかりやすい元気な緑アヒルに勝ってもらっちゃあ、おまんまの食い上げやん。

完全に客を騙してる、あの太々しいまでの態度・・・黒アヒルのぶっちぎり勝利に賭けたぜ!!

飼育員さんに大枚200円を払い、黒アヒルのトリ券をゲット。

「それではー、みんな、スタート位置まで歩こうねー、ほらほら、黒アヒルちゃんはなんでそんなやる気ないのかな?みんな行っちゃうよー。早く動いて、歩いてよーー」
・・・レースは、緑アヒルが、パタパタ元気に走りきり、ぶっちぎりの1位だった。

黒のアヒルは、不貞腐れたように全然歩こうとせず、飼育員に突っつかれて、イヤイヤ走ってるフリをし、最後はテキトーに歩いてやがった。

「ヤッターーー!!緑アヒル、最強!賞品のワッペンゲットだぜ!!」
と、ピョンピョン飛んで喜んでる、山猫少尉。

・・・。

こ、こんなはずでは・・・。
あのやる気のない黒アヒルは、クマのエサになっちまえばいい💢。

クマ博物館で、歴代ボス熊の履歴を読んだり、クマ毛皮を見たり、凶暴ヒグマの記事を見たりした後、上階の展望台から、クッタラ湖を眺める。

アホな子熊や、脱力系女子熊エリカ様(23歳)や、愚鈍な黒アヒルやらの喧騒を忘れさせる、雄大な眺めだ。

しみじみと、カルデラ湖について思いを馳せていると。

「館内に漂うカレーの匂いがヤバい!そろそろお昼ごはん、食べましょうよ!」
と、山猫少尉言うとんので、階下のレストランでランチ。

私は、あったかい山菜そばを食べる。
山猫少尉は、エビフライカレー。

あのクマは可愛かった、あのアヒルはダメな鳥だ、とか、ワイワイ楽しいクマ牧場の感想を言いながら、モグモグ昼メシを食べるのでした。

とても名残惜しいが、撤収のお時間がきたので、クマ牧場を後にする。

ステキロープウェイで、眼下に広がる絶景を楽しみつつ、登別温泉街に戻ってきた。
割引きのきく日帰り温泉で、ひとっ風呂浴びる。

登別温泉の硫黄の匂いが、温泉地っぽいよね。
この雰囲気が、たまりまへんなー。

ホコホコ湯気をたてながら、登別駅行きのバスを待つ。
ヒマなので、山猫少尉とボソボソ雑談しながら、待つ。

登別駅から、特急北斗号に乗り、一路、函館を目指す。
約2時間40分の行程。

内浦湾を左手に、大きく湾曲しながら、特急北斗は走る。

湾の向こうの景色も見えて、ロマンチックなステキ車窓ですねえ。

ボーッと、夕日の落ちる景色を見ててもいいねんけど、そんなんはすぐに飽きる、羊好大尉と山猫少尉。

「京都のゴールデンカムイ展物販で買ってきた、Gカムイトランプで遊びましょう!」
と、座席の机を展開し、その上でシャッカシャッカ、バリバリと、器用にリフルシャッフルする、山猫少尉。

あのー、そのトランプ、私のやねんけど・・・。
あまり、雑に扱わないでよね。

それから、えんえん1時間以上、お土産のウポポイラスクをコイン代わりにして、ポーカーに興ずる。

ニャーニャー大騒ぎしながらポーカーで勝負してたので、途中、車掌さんに「あー、お静かに願いますよ」と注意された。

す、すみません・・・。(こんなんばっか)

19時24分、函館駅に到着!!

途中、山猫少尉にポーカーでボロ負けし、ラスクをまるごと全部かっぱわれそうになったが、後半盛り返して、ほとんど取り返し。

ナニはともあれ、憧れの地、聖地函館に降り立ったのです!
うーん、感慨深い。

とりあえずは、駅前のホテルに荷物を放り込み、市内に繰り出しましょう!

函館駅で、土方さんにお出迎えしてもらう。
明日は、五稜郭でお会いしましょう!!

市電に乗って、ナニはともあれ、夜景を楽しむため、函館山ロープウェイへ。
やたら混んでたのは、連休中でもあるからかな?

函館山展望台は、さらに人集りがスゴイ。

有名な、100万ドルの夜景を眼下に見おろす。
やっぱり、実物はいいねえ。綺麗だね。

聖地函館、ついに来ちゃったね!
「どっちが五稜郭かな?」
あの、右奥の光がない方やろなー。明日行こう。

「尾形百之助終焉の地は・・・」
函館駅がアレやからー、その手前の波止場が目印に・・・。

と、100万ドルの夜景を目の当たりにしながら、Gカム函館編のエピソードと照らし合わせる、カムイオタクたち。
存分に夜景を楽しんだ後は、展望台階下の物販コーナーへ。
物欲リミッター、解除や!!

「ようかん!チーズ!イカ!チーズイカ!!クッキー!ビール!いちごミルクサワー!」
と、熱に浮かされるように、かたっぱしからお土産モンを買いまくる、羊好大尉と山猫少尉。

函館の夜が、我々を狂わせる!!
肩掛け、リュックがパンパンになるまで、お買い物。
ふー。

ロープウェイ乗って、函館山から夜景も見て。
たんまりお土産も買い込んだ。

混んでたけど、登ってみてよかった!山麓駅までの上り坂道がしんどかったけど、登ってヨカッタ!

ふと、函館山ロープウェイのサイトを見てみたら、明日から11月まで、まさかの定期点検のための運休やった!?

「うそ・・・ほな、今日までしか、ロープウェイ動いてなかったんですか!ギリギリ間に合ったやん!スゴい!」

そ、それで、なかなかの混み具合やったんか・・・。
そうとは知らず、遅いから明日にしようか?とか検討してたで。あっぶなーーー。

市内電車に乗って、函館駅前に戻る。
お腹はぺこぺこ。
もう、21時前やもんね。
夜9時過ぎ。ホテル近くの有名イカ居酒屋『いか清』に飛び込む。
2人、予約もなーんもしてませんけど、いけますかー!

2階のカウンター席に通してくれたので、私はサッポロビールクラシック。山猫少尉は日本酒で。

念願の、聖地・ゴールデンカムイ最終決戦の地、函館の到着を祝して!カンパイ!!

・・・くはーーー!サッポロ生ビール🍺だよな!
サイコー!!
『いか清』に来たからには、イカのお造りはいただかなくてはならぬ。

さばいてすぐなので、イカ足はピクピク動いてる。
醤油をつけて、山猫少尉が、口に運ぶ。

「美味しい!!新鮮!!歯応えもサイコー!」
と、目をキラキラさせてイカ刺しを頬張っている。

どれ、私もいただきましょうかな。
あ。(ピシャ)醤油皿にイカ足落としちゃった。

醤油が飛び散っちゃって、ゴメンナサイねー。

「あーー!ワタシの白ブラウスに醤油があ!?」
と、山猫少尉の悲鳴があがる。
げえっ!?そんなに飛び跳ねたの?醤油??
ご、ゴメン!
この、イキのいいイカが全部悪い!イカがなものか!?
なんつって。

「・・・」
山猫少尉にジロリ、と睨みつけられる。

スミマセン・・・。
あったかいおしぼりで、ごしごしすれば、あるいは・・・。

あっ、ホッケ焼ききましたね!
気を取り直して、いただきましょう!

お酒も進み、函館の夜は楽しくすぎてゆく。

ゴールデンカムイの、各名シーンを振り返り、考察を発表してみたりして、盛り上がったり。

函館で、こんなGカム飲み話できるっつーのが、粋じゃないですか。ホッケもウマウマ。

「今日は移動の日だったのに、予想外にクマ牧場が面白ろステキすぎましたね!函館夜景もヨカッタ!楽しかったー!」
と、山猫少尉も満足そうで。
良い1日でした。

美味しいお酒と、肴を時折つまみながら、山猫少尉とえんえん話していると、0時になっちまった。

あーあ、飲んだ飲んだ、食うた食うた。しゃべったしゃべった、笑った笑った。
気がついたら、いか清の本日最後の客になってしまってた。

名残はつきぬが、明日も早いし、かえろカエロ!

【つづく】

ゴールデンカムイ聖地巡礼鉄道の旅2022.9(1日目)

漫画、ゴールデンカムイが大好きだ。

前回、旅の相棒山猫少尉と、バスツアーに参加した。

北海道の今まで行ったこともない地域を、バスで西へ東へとブンブン周り、アイヌ民族の歴史や、北海道開拓の歴史にふれ合い、体験した。
ゴールデンカムイ聖地巡礼でもあり、マンガと重なり合わせて、とても楽しく刺激的な素晴らしい旅行だった。

北海道の酒もメシもスイーツも、美味しかったし。
サイコーですやん。
こんな楽しい旅は、なかなかないで!

だが、しかし。
ゴールデンカムイの舞台となった北海道は広大で、2泊3日のバスツアーでは、まだまだ周りきれてない。
これは、ひょっとして、聖地巡礼第2弾のツアーも、企画されるんじゃなかろうか?いや、されるでしょう。きっと!!

・・・そう期待して、2ヶ月経過。
私も、山猫少尉もいろいろ検索し、調べてみるけど、あの前回のステキバスツアーのような企画は、なかなか現れない。
ゴールデンカムイ最終決戦の地、函館あたりに行きたいのに。

・・・えーい、もう待てん!(2ヶ月しか経ってないが)
ツアーが無いのならば、自分らで勝手に行くからね!!

と、アツい思いが止まらない、羊好大尉と山猫少尉は、8月辺りから、旅行先の予定を練り練りし、飛行機だの特急だの、グルメのお店だの、綿密にスケジュールを詰めていき。

9月、シルバーウィークの後半部に照準を定め、各種予約を入れ、聖地巡礼第2弾の旅程を、決定したのだった。

1日目。
大阪は、朝から強い雨が降っている。
台風の後の影響か。

天気予報では、今日も明日も、北海道は雨。
前回のバスツアーんときも、すごい雨だったんだよなあ。

電車を乗り換えて、南海なんば駅へ。
今日も特急ラピート号は絶好調のご様子。
ラピートさん、関空まで、早目にたのんます!

では、しゅっぱーーーつ!!

関西国際空港駅で、旅の相棒、山猫少尉と合流する。
からしかめっつらで、どしたん?
「最寄り駅まで自転車乗ってきたら、ピアス落っことした!ウキー!」
それは、また、幸先のよろしからぬ。

気を取り直して、関空第1ターミナルへ。
コロコロとキャリーケースを引き連れて、新千歳空港行きJALに荷物を預けてみたら、出発まで時間がある。

「空港のどっかで、コーヒーでも飲んで待ってましょうか」
と、ターミナルの端っこまで歩いてたら。

「お二方、アンケートにお答えくだされば、沖縄旅行が当たるかも!ぜひ、お寄りください」

と、空港の一角で、ヒルトンの営業のひとに言われ。
ヒマだし、おもろそうなので、2人でアンケートに答えてみた。

「ありがとうございました。ダブルチャンスで、ハワイも当たるかもしれません!年末まで、楽しみに待ってて下さいねー!それでは旅行を楽しんで下さい」

沖縄当たるかなー?
とか、ワイワイ言いながら、売店でコーヒー☕️を飲み、パンをモグモグ食べてたら、いい時間だ。

よっしゃ、ほな、いこか。
北海道へ!ふたたび!!

11時過ぎに、新千歳空港に到着。

天気予報の通り、しっかり雨が降ってる。

前回の旅行では、山猫少尉は、大雨の日に底の浅いパンプスを履いてきて、水たまりに足を突っ込み、くるぶしまでびしょびしょになってたが・・・今回は大丈夫かい?

「見てください、この分厚い底のブーツを!ワタシは2度同じ過ちは犯さないのデス。ちゃーんと、今日の北海道の天気を調べての選択。完璧や!」
と、得意げに鼻をヒクヒクうごめかせていた。

・・・ちなみに、後から聞いた話では、今回持ってきた底浅パンプスは、うっかり左右別のもんをカバンに押し込んでたらしく、ヒンヒン悔し泣きしていた。

どこの誰が完璧やねん。

まずはこの大雨の中ですが、特急すずらん号に乗って、『白老駅』へ向かいますよ!

大雨の中、特急すずらん号は、走る。

前回もそうだったが、車窓から見える景色が、雨と水蒸気で、灰色に霞んでてよくわからん。
せっかくの北海道特急列車旅なのに、残念・・・。

車内では、山猫少尉と仕事の話をしてたら、あっという間に白老駅に到着。30分ですか。
南千歳駅から、白老って、特急だとあっちゅうまやね。

外の雨足は、相変わらず。傘は必須だ。
白老駅のコインロッカーに、キャリーケースを押し込み。

それでは、本日の目的地である、『ウポポイ』に行きましょうか。
おお、機関車!いいですねー。
国立アイヌ民族博物館や、他の施設の統合体、『ウポポイ』に到着。

ウポポイには、漫画ゴールデンカムイを読む前から、いっぺん行ってみたかった。
念願がかない、感無量。やっと来れた・・・。
お、ウポポイポスト。写真、撮影っと。

「・・・今日はこの雨天やから、野外のイベントは無理っぽいですねえ。しかし、なるべく参加できるイベントには、全て参加してやろ。ボーッとしてるヒマはないですよ!」

と、スケジュール表とにらめっこしながら、山猫少尉がズンズン入場してくのに、慌ててついていく、羊好大尉。

あらかじめ印刷してきた入館券を係員に渡す。
我々の旅行会社での入館券発券は、よほど特殊な案件らしく、係員はファイル片手に、色々調べているもよう。

さっきからジーッと待ってるが、なかなか入場させてくれん。

「・・・まだかなー。あれ?なんかお得な館内クーポン券ですって!?千円で、ウポポイ館内の食事や買い物に使える2千円クーポン!?これ、買いましょ!」
と、2人とも勢いでクーポン券を買ってしまった。

お得クーポンを握りしめ、早速、ウポポイランチや!
と、すいた腹を抱えて、昼メシ、昼メシ、と連呼してたら。

「このアイヌ伝統舞踊イベントが、あと15分もしたらはじまるから、昼メシはその後でね!入場者数には制限があるらしいから、急いで受付てみましょ!」

2人入れますか?と窓口で申し込んだら、なんとかギリギリ入れてくれた。ヨカッタ!

ホールの座席に着席し、舞台で繰り広げられるアイヌの伝統舞踊を鑑賞。

天空に響いていくような、独特の抑揚とリズムに、酔いしれる。
晴れてたら、屋外のポロト湖の湖畔でも、イベントあったんやろけどなあ。

ホールを出て、工房へ。

アイヌの伝統刺繍の先生と、木彫りの先生が、台上で実演している。
山猫少尉は、刺繍をしてるおばちゃんに、熱心にやり方を教えてもらっている。
「うわっ、難しそう・・・集中したら、できるかな?」
クロスステッチの要領で、こうしてね、ここをまわしてね」

山猫少尉が先生とやりとりしている間、工房に展示しているアイヌの伝統衣装や道具を、鑑賞してよう。
受付で、アイヌ紋様の木彫体験に最後の空き人数があったので滑り込みで予約。(次の予約は断られてた)

次の木彫体験開始時刻まで、1時間ほどあるので、外に出る。
チセ(家)の中では、各種の実演イベントが行われている。

今日は雨天ということもあり、屋外イベント中止のあおりを受けて、チセ室内に客が集まりすぎている感じ。

「さっきの刺繍体験も予約したかったのにい!残念すぎる!!」
と、山猫少尉が地団駄踏んでるのも、定員オーバーで断られたからだ。
コロナ対策による人数制限もあるので、なかなか全て参加できそうにはないようで。

「ん?口琴ムックリ)の実演ってやってますよ?おもしろそー!」
と、チセエリアで楽しそうな実演イベントがやってたので、参加してみた。
1500円の参加費を払って『ムックリ』というアイヌ口琴を購入し、先生の指示通りに構え、ヒモを震わすと口に当てたムックリが、ギョーン!ギョーン!!と鳴り響く。
・・・はずなのに。

お隣の老夫婦は、見事に鳴らしておられる。
お隣の山猫少尉も、器用に鳴らしておられる。

・・・(ドスっ、ドスっ)。

「羊好大尉のムックリは、ひょっとして壊れてるんちゃいますか?」
と、これ見よがしにムックリを鳴らしながら、山猫少尉が指摘すると、先生も心配して私のムックリを再確認。

「いえ、ちゃんとしたムックリですね。その証拠に、ほれ」
と、私のムックリを派手にギョンギョン鳴らす先生。

・・・あー、あまり雑にギョンギョンしないで。
私のムックリは繊細なのですから。
湿気が多いと、どうしても鳴らない、とも聞きますし。

「でも、センセは今もギョンギョン鳴らしてますけど」
と、山猫少尉。

雨さえやめばね!こんなムックリだろうとタックリだろうと、ジャンジャンバリバリ鳴らしてやるのにね!

ひょっとして、このムックリは、ミャンマーの海外工場で生産している粗悪品かもしれん。そうに決まった。

「アタシのはちゃんと鳴るもんね。(ギョーンギョーン)チカラを抜いて、ノックするように、こう!(ギョーン)」

とか、山猫少尉とニャーニャー言いながら、来た道を戻って工房へ。

アイヌ紋様を、スマホ立てに彫りこむ、木彫体験に参加するためだ。
「こちらの彫刻刀を使って、まずは外縁をスーッと彫ってみてください。お、キレイにできてますね!ピリカ!」

と、お兄さん先生たちは、各テーブルを回って、参加者(8名、うち7名は女性)に声をかけたり、助言したりする。

「アカン、ここが引っかかって上手くいかへんのです」
と、ブツクサ言う山猫少尉にも、お兄さん先生は、丁寧に教えてくれたり、補助してくれてる。

私も、中央部・・・このギザギザが、多少曲がってしまってんですよねえ。(直してくれへんかなー)

「・・・あー、多少の歪みやはみ出しは、アジになりますよ。ピリカピリカ」
とか言って、先生はサッサと次の参加者のテーブルに行ってしまった。

・・・。
なにがピリカだ。
もういい、私は誰の手も借りず、独特の紋様を編み出して、アイヌ文化に新しい風を吹き込んでやるぜ。

決意も新たに、ガリガリ彫刻刀で板を削ってたら、あっという間に1時間経ち。

「見てみて!ワタシってば、こんなまっすぐに美しい紋様を!天才なんかも!?」
と、興奮してる山猫少尉。

その真っ直ぐの彫りは、お兄さん先生に手直ししてもろたとこやろ。
見てみ、私なんか、このオドロオドロしい曲線を描ききって、見事に自力で完成させとんねん。
紋様のテーマは、『台風と地震による災い』や!

とか、わーわー言いながら、なかなか楽しい木彫体験なのでした。
本日、ウポポイでは、キッチンカーフェスティバルが開催中だ。

腹はぺこぺこだが、だいぶん昼も過ぎ、ここでガッツリランチ食べたら、夕飯が食べられないカモ。

キッチンカーで買ったトルティーヤと暖かいコーヒーで、少しだけ小腹を満たす。ホントは、チキン南蛮とかたいやきとかも、めっちゃ気になっとるんやけどね!

ズズズ。はー、あったまる。

「むー、この後は『カムイアイズ』という、謎イベントに行ってみます?その後、民族博物館をぐるっと巡って、夕方まで時間をかけて、物販コーナーいって」

ウポポイ・マップを展開し、難しい顔で膝を組み、コーヒーを飲む、山猫少尉。
今日は、このウポポイに終日いるから、参加できそうなイベントは、どんどん行こう。アイヌ民族博物館は、前回のツアーでだいたい見てる内容やろしね。後回しでいい。

「ですよねー、よっし、行きましょ!」

コーヒーを飲み終え、『カムイアイズ』に参加するため、ポロト湖畔を歩いていく。
『カムイアイズ』は、動物目線で3D画像を見る、視覚体験型イベントだった。
大空を飛ぶ鳥の目線、キツネの目線で、グリグリ画像が動く。おお、没入感がすごい!

短い時間で、カムイアイズは終了。
山猫少尉が、3D酔いして、フラフラしていた。
大丈夫かい?

アイヌ民族博物館にて、アイヌ文化の展示をみる。

「この、木製皿に彫り込んでる紋様!?こんな複雑なのに、薄い彫りで・・・改めてスゴい技術ですよねー」

さっきの木彫体験もあるので、驚きも感動も2倍になる。
こんな、曲面に彫り込んでって、すごいよなー。
手が滑って、彫り失敗したらアウトやねんもん。

博物館は、しっかり全部観る。
でも、正直、見たことあるよな文物なのかな。新鮮味はあまりないかも。バスツアーでも、各所のアイヌ民族博物館は見てきたから。

ウポポイ物販コーナーは、じっくり見て、買い物を楽しむ。

ウポポイラスクを買ってみましょう。
ムックリも、ちゃんとしたヤツ買う。

とかしてたら、そろそろ、陽も落ち、暗くなってきた。
雨はまだ、小雨ながら降り続けている。

フードコート『ヒンナヒンナキッチン炎』で、夕飯をいただく。この時間、客は、ほとんどいない。
私は、白老牛肉カレーにしよう。
ん!?1980円!!お高いわねえ!?
山猫少尉は、ラーメンサラダと肉串を、ハムハム食うてる。

「・・・お腹いっぱいになったら、小雨の中で屋外プロジェクションマップは、しんどいですねえ。もう、今日は帰りましょうか?」
と、小さい声で提案してきた、山猫少尉。
さっきの『カムイアイズ』という立体画像を見て、3D酔いしたダメージが大きいらしい。

もう、いつの間にか夜19時やもんな。
今日の宿は苫小牧で、電車の時間やし・・・帰ろっか。

小雨の中、夜のウポポイを後にする。

ウポポイは、ただの学術的民族博物館ではない、面白い体験をさせてくれるアミューズメント施設でもあった。
好天やったら、数々の屋外ステージでの催し物もあったはず。
今度来る時は、朝イチで来よう!ちゃんと、参加型イベントも、予約する順番決めて。

山猫少尉とそんな話してたら、白老駅に到着。

駅構内で、電車の遅延について、放送が聞こえてくる。
・・・なに?苫小牧方面の電車が、大幅に遅れてるの?
今から我々が乗ろうと思ってた電車やん!?

慌てて改札の駅員に、状況を尋ねてみる。

「はい、苫小牧方面の在来線は今、大幅に遅延しておりまして。」
ええ!?大幅って、何分遅れなんですか?

「本来50分前に到着予定だった『特急すずらん』が、あと5分ほどで到着します。特急料金は不要なので、とりあえず、これに乗車して下さい。急いで!これを逃すと、次はいつ乗車できるかわかりません。改札は着いた駅でしていただいて結構なので!!」

と、せきたてられる。

わ、わかりました!
急いでコインロッカーから自分の荷物を出してると。

「こ、コインロッカーの、カギがないー!うわーん、なんでないの!?ナクシちゃったかも!」
と、半泣きでポーチとかをひっくり返しロッカーのカギを探す、山猫少尉。

ホームに、電車が到着し、乗客が乗り降りしだしたので、さらにパニックになっとる。
あー、コレは逆方向の電車やから、まだ時間はあるねん。
落ち着いて、そこに座ってゆっくりカギ探してみ。

「ない、ない!やっぱりないーー!?なんで?」
と、ポケット財布、肩掛けバッグを探してるうちに。

「・・・あ、あった・・・( ;  ; )」
と、山猫少尉が、コインロッカーのカギを、つまみ出した。

よし!あったんなら、こっからは急ぐで!!
もう、たぶん発車まで、1分も時間ない!
しかも、到着ホームは向こう側や!キャリーケースを抱えて、階段を駆け上がれー!!
でも、転ぶなよ!旅行中ケガするくらいなら、乗り遅れた方がええねんからな!!慎重に急げえーー!!

と、声を励まし、なんとかギリギリで特急すずらん号に飛び乗った、羊好大尉と、山猫少尉。

「・・・あ、あぶなかったあ!ギリギリ間に合った!!」
と、2人して座席にへたり込む。ひーー。
で、でも特急料金払わずに、特急乗れちゃったし、良かったヨカッタ!
と、セコい関西人の価値観で、トクした気分になっているのでした。

苫小牧駅から、今晩宿泊するホテルは、徒歩10分とあるので、もう歩いて行こう。雨も小降りになってきてるようだし。
と、歩き出したのが大失敗。

歩けどあるけど、ホテルは見えず。
雨はともかく、風がどんどん強くなり、傘が吹っ飛びそうになる。
重たいキャリーケースも引いているので、片手で傘のバランスが・・・ひえーーー!

・・・結果、びしょ濡れになりつつ、コンフォートホテル苫小牧に、たどり着いたのでした。
ケチらず、タクシーで行くべきだった・・・。
バスツアーと違い、その辺の距離感、残った体力気力を考えて、自己判断せなあかんのやな、鉄道の旅行は。

とか、ぐるぐる考えながら、もう疲れ果てて、ベッドで気絶するように寝落ちする、羊好大尉なのでした。

【つづく】

伊勢湾フェリー旅2021.11



11月某日。

たまたま月曜日に有休をゲットしたので、ここはいっちょ、フラッと旅に出よ!と思い立つ。

今回は、近鉄電車とフェリーを組み合わせてみよう。
目的地は、名古屋メシ。いや、名古屋!

朝イチでお出かけし、9時。
近鉄丹波橋駅から、特急に乗る。

ウォークマンで音楽を聴きながらスマホをいじったり、流れ行く車窓の景色をボーッと見てたら、2時間少しで、三重県の『伊勢市駅』に到着。

スマホ片手に、駅前をウロウロする。

伊勢市でのお目当ては、伊勢神宮・・・ではなく、伊勢うどんの名店『山口屋』さんだッ!(うどんに魂を売った男)

『山口屋』は、伊勢市駅から歩いて5分くらい。

古い小さいお店で、まだ11時過ぎなのに結構お客さんはいてる。暖簾をくぐり、入店でーす。
奥の席に陣取り、牛すじ伊勢うどん卵落としを注文。

久しぶりの、伊勢うどんをいただく。うおー、いい匂い。
フワフワに柔らかく、ふとーい、典型的な伊勢うどんやね。

牛すじ肉は甘め。醤油タレはやや辛めかな。混ぜるとちょうどいい感じ。
あつあつうどんを、とぅるとぅる、とすする。
美味い。美味すぎる!
伊勢に来てヨカッタ。(ほっこり)

うどんついでに、伊勢神宮へお参りすることにした。
せっかく伊勢に寄ったんやしね。

宗教心欠落野郎、とか呼ばれるのは心外だ。
熱田神宮には、名古屋に行くたびに熱心にお参りしてる。こう見えて、信心深い神の子羊なのです。

外宮の鳥居をくぐり、大樹の囲む参道へ。
境内の清らかな気配を、耳目で感じながら、ゆっくり歩いて行く。

どっかのアホみたいに、御朱印ー!とか大騒ぎしないで、御神木を仰ぎ見ながら、静々と進む羊好大尉。

・・・。(ジロジロ)

アレか、熱田神宮と違い、伊勢神宮には、境内にきしめん屋も無いんか。参拝客にオモテナシしようという、お茶目な神ココロはないんか?

あの左側に空いてる土地に、神聖・伊勢うどん屋を開店すればいいのに。絶対にすればいい!!


とても良い考えなので、さっそく天照大神さまに提案しておこう。

てんてん、と柏手打ち、本殿でお参り。うどんうどん。

姪っ子あかりが、スクスクと成長しますように。
フェリーがキライ、とかワケのわからんことを言ってるので、好きになって欲しいです。
家族が健康でありますよう。

・・・ハイ、お参り完了ーっと。

そこかしこにある、なんちゃら宮にも行ってみる。
土宮、にお参り。

神宮内うどん屋の件、よろしくーっと。
その足で、多賀の宮へ。

よろしうお願いしまーす。

帰りの石段を、そろそろと慎重に、ゆっくり下る。
ネコ島での悲劇を繰り返してはいけんからね。

ナントカ無事に石段を下りきり、御守りを買って、伊勢神宮参りは終了です。いやあ、有意義だった。

内宮がどうのこうの、と他の参拝客が言うてるが、そんなものはない。ないのだよ。(めんどくさくなった)

伊勢神宮外宮を出て、歩いて1分。

次の目的地である、牛丼の名店『豚捨』に到着!

「伊勢に行くなら、伊勢神宮のすぐそばにとても美味しい牛丼出す店があるから、ぜひ食べてきてよ!」
と、部下のシマウマ伍長に、強力に勧められたのだ。

牛丼かあ・・・でも、その前に、伊勢うどん食べる予定やし。
うどん食うてすぐの牛丼は、ちょっと無理かも、と説明したら、シマウマ伍長は怖い顔をして、

伊勢神宮に行って、『豚捨』で牛丼を食べないなんて、人生損するよ?いいの?損しても?掛け捨て保険みたいなものだよ?」
と、よく意味はわからない例えで、強力にゴリ勧めてきたので、わかった食べる、と答えるしかなかったのだ。
掛け捨てはヤダもんね。よくわからんけど。

見れば、『豚捨』店外には先客が8人ほど待っている。
さすがの人気店ですなー。

予約台帳に記名しておいて、しばらく待つ。

・・・30分ほどで、やっと入店。

牛丼(上)と、コロッケひとつを注文。
楽しみに待っていると、結構しばらくして、やっとこ牛丼セットが出てきた。

あまから醤油で牛肉いためてからめて、下にはタマネギ、ご飯は少し。

あ!!これは、さすがお高い(1800円)だけあって、かなり美味しーーい!!
卵も溶いて、落として混ぜて。うむ、うまうま。揚げたてコロッケもウマウマ!ヒヒーン!!

美味しかったのでペロッといただきました。
シマウマ伍長、教えてくれて、ありがとな!

すっかり満足して伊勢市駅に戻り、鳥羽まで電車に乗る。

車窓から見たら、あいにく雲が暗くたちこめ、既に小雨が降っているよな様子だ。

ヤバいなあ、こっから鳥羽港まで歩いて、伊勢湾フェリーに乗る予定が・・・。
船旅はご機嫌な乗りものだが、雨が降ったら、とたんに魅力は半減しちゃう。

青い空の下、青い海をスイスイ進んで、景色を堪能するのがフェリーの醍醐味なのだからね。

フェリーで渡ったあとは、ぐるーっと渥美半島を北上して行くバス旅程。
雨降ってちゃ、なおさらサマにならんもんね。

・・・と、いろいろ考えてたら、鳥羽駅に到着した。

駅を降りてみると、小雨どころか、ちゃんと雨降ってるもよう。

駅構内に引き返し、しばらく様子を伺っていたが、雨雲は伊勢湾から東海地方にかけて、帯状に続くようだ。
フェリーは、諦めるか。

伊勢うどん食うて、豚捨の牛丼も食べ、ついでにお伊勢参りもしたわけだし。
今日はー、この辺にしといたるわ!

予定変更し、15時ごろ、鳥羽駅から伊勢市駅に戻り、近鉄急行で名古屋へ。
昨夜は、山猫少尉としゃべって飲んだくれ、今朝も朝イチで出かけてるので、いい感じで眠気が襲ってくる。
名古屋駅着くまで、寝ちゃおう。

ブウブウ電車で寝てたら、夕方の17時頃に名古屋駅到着。
アクビを噛み殺しながら、名古屋の地下街をのしのし歩く。どこで夕飯食おうかな。

エスカの『山本屋本店』。ここにきーめたっと。
熱い味噌煮込みうどんを注文。

そして、食前に、ハイボール
アテには、ポテサラと、名古屋コーチンのネギマ。
最強の名古屋飲みトリオ、結成や!

ハイボール片手に、ネギマをかじり、ポテサラをつつきながら、ホクホク顔をしていると。

横の席に座った、男女2人連れ。
男が、妙にハイテンションな話し方で、聞いてるコッチが何だか情緒不安定になってくる。
女性は、やがてお手洗いに行き。

残された男と店員さんが注文のやりとりをしてるが、男がアホなので、話がまったく噛み合わない。

「・・・お客さま、ネギマは焼き上がりにお時間かかるので、お飲み物は、先にお持ちしましょうか?」

「時間ですよね!時間はどれくらいかかります?」

「10分程度は」

「えーと、じゃあ、お冷やをお願いしていいですか!」

「は、はい?では、ご注文のビールはネギマと一緒にお持ちするということでよろしいですか?」

「いや、煮込みうどんとお冷やを一緒に持ってきてください」

「えーと、え?では、ビールはもうお出ししてもよろしいということで・・・?」

「うどんって、どれだけ熱いですか?」

「うどん?あー、かなり熱いですね、煮込んでるから」

「うーん、そうかー。じゃあ、ちょっと待ってもらっていいですか。連れに聞いてみます!(キッパリ)」

「???は、はい・・・」

ちゃうねん。まず、ビールはどうすんねん、ビールはよ。
あと、人の話を聞けよ。
ほんで、結局、自分でなんも決められへんのかい!?
と、横で思わずつっこみたくなる、迷走ぶり。

その後も、店員を呼びつけて、お冷やがぬるいだの、ぬるくないだの、わけのわからん事を言ってた。
どこにでも、アホはいるんやなー。


味噌煮込みうどんをハフハフいいながら平らげ、本日の名古屋メシは終了。
おなか、いっぱい!大満足ー。

定宿ルートイン栄で、ゆっくりしましょう。
まだ、18時なので部屋飲みしながら、だらだら過ごすかな。

駅近くのデパ地下内『矢場とん』で、お酒のアテに串カツを買い込み。

夜の名古屋を、お散歩がてら、栄まで歩く。

おー、名古屋のテレビ塔ですなあ。
なんだか、久しぶりだ。

小1時間ほど寄り道しながらウロチョロし、栄駅から少し離れた、ルートイン栄に到着です。

今日はよう食べたが、よう歩いた。

大浴場の風呂入って、ゆっくり休みましょう。

コンビニで買ってきたハイボールで部屋飲み。
矢場とんの串カツ、うまーー。
味噌ソースが味濃くて、なんぼでも飲めるやん。
iPadで、お笑いYouTubeチャンネルを見ながら、ゲハゲハ笑って飲んで。

・・・とかしてたら、華麗なる寝落ち。

翌日。

朝、ルートインホテル名古屋栄で目覚める。
ホテルの朝は、清々しいでんなー。

早速、大浴場で朝風呂。ゆーっくり風呂入って、ホコホコする。あーーいーーー。

身支度を整え、9時前にホテルをチェックアウトして、栄の町を歩き出す。

今日の名古屋市内は、晴れてるなー。いい感じ!
朝食は、地下街の喫茶店こんぱるでモーニング。

エビフリャーサンドと、ホットコーヒーを。

スマホをいじりながら、1人作戦会議。
天気は曇りがちのようだが、雨までは降らなさそうだ。

昨日、断念した伊勢湾フェリーで、鳥羽に渡るか!
名鉄名古屋から、豊橋まで電車に乗って。
豊橋駅で、バス+フェリーの割引チケットが販売してるので、そいつを入手して、やな。

よっしゃ、行こか!!
名鉄に乗って、豊橋へ。
特急の窓際に陣取り、流れていく風景をボケーっと見ながらウォークマンで音楽を聴く。

三河国に入ると、とたんに緑や山ばかりになってゆく。

いーなー、岡崎。
豊橋駅に到着。

11時なので、お昼を食べたいが、まずは渥美半島先端の伊勢湾フェリーへのバスを確保だ。

バスチケット売場の係員に、親切丁寧にバス+フェリーチケットの使い方と、乗り継ぎを教えていただく。

なるほど、わかりましたーー。

「次は、11時35分のバスに乗るといいですよ」
と、言われた。そうなると、昼メシ食うてる時間はなさそうやなあ。どうしよ・・・。

以前、部下のシマウマ伍長に、
豊橋のグルメ、カレーうどんを、ぜひ食べてみてよ。ちょっとよそのカレーうどんとは違くて、美味しいんだから。豊橋行って、カレーうどん食べないヤツとは、ボクは友達になりたくないな!」
と、オススメをされてた。(友達?)

ホントなら、豊橋で昼メシにカレーうどん、といきたいが、時間がおしてるのでやむを得ぬ。
ここは、バスを優先しましょう!

伊良湖岬』行きのバスに乗り込むが、乗客は私1人。さみしい。

途中に、おじいさんやらおばあさん、地元の女子中学生とかが、ぽつり、ぽつりと乗っては降りていく。

豊橋から渥美半島を南下していく道中は、特に見るべきものもなく。たまに、キャベツ畑が見え隠れするくらい。
・・・退屈なので寝とこう。
どんな場所でも、すぐにブヒブヒ寝れるのが、羊好大尉の特技だ。
バスの中だろうが、電車の中だろうが、フェリーの中だろうが、研修会議室の中だろうが、カンケーなーい。

なにしろ、終点まで2時間少しもある、長丁場だからね。
この後は、フェリーも控えてるし。

おやすみなさーい。ブヒー🐷。

バスは、終点、保美に到着した。
ここから、乗り換えバスで、伊良湖岬へ。

半島の先端ゆえ、途中からは海も見えたりして、少しテンションも上がってきました。

あのー、運転手さん、乗客私だけなので不安なんですけど、乗り継ぎのバスは、どこで待ってたらええのでしょう?

「あー、そこの黄色い待合室で待っててください」
と、優しく促され、言う通りに真っ黄色の待合室(ボックス?)で、おとなしくしている。

黄色いなあ。こんな所で待ってて、ちゃんとバスに乗っけてくれるのかしら。

粗大ゴミとして、回収されたりせんやろな。

不安になり、1人でもあるし、ソワソワしながら黄色い待合室で待つこと、15分。

お、伊良湖岬行きバス、きた!乗りまーしゅ。
14時前に、ようやく伊良湖岬に到着。
長いこと、バスに乗ったわー。

バスの停留所から、すぐのところに伊勢湾フェリーの乗船施設がある。
あと20分ほどしたら、鳥羽行きのフェリー出港らしい。

周辺の伊良湖岬を散策してから、1時間半後のフェリーに乗っても良かったが・・・。
早くフェリーに乗りたい気持ちが勝ち、サッサと乗船することにした。

この辺の灯台とか海岸とか、散策路はあるらしいけど、そんなん、海からフェリーで見たらよろしい。

そうしてたら、フェリーが入港してくる。
キター!これこれ!!

今回は、コレに乗りにきたわけよ。

早速、乗り込みましょう。乗客もそんなにはおらんみたいやし、ノビノビできそうですな。
伊勢湾フェリーに、いそいそと、乗船。

座席はスルーして、両舷デッキに出てみる。

うおー、伊良湖岬の景色、キレイ!

コッチには、海上保安庁の巡視船だ!
テンション上がりっぱなしで、スマホ撮影しまくる。

お、そういや、バス+フェリー割引チケットのオマケで、特別室割引券もついてたんを忘れていた。

一般席の場合は、舷側と後方デッキしか移動できないが、特別室だと、上部デッキの前の方にも陣取れるらしい。
もちろん、上部やから見晴らしが全然ちがうわけで。

特別室割引券を受付に出し、特別扱いしてもらうことにした。(200円足すだけだが)

他の乗客は、そんなくだらん事に金なぞ使わないとみえて、特別室客は私だけ。

よーし、特別ロイヤルスイート客(自称)として、上部デッキは独り占めや!

いよいよ出航だ!
錨を上げろ!両舷、後退。
フェリーは、伊良湖港を出て、伊勢湾を航行する。

伊勢湾は、湾内各所に島々が多く点在し、フェリーから海を見ていても飽きない。
後ろ、左右、前方と、島があちこちに見え隠れするやないの。




あーん、撮影が忙しいよ!
伊勢湾フェリー、サイコー!
天気も、まあまあええやん!

ヒャッハー!!
今日は波が高く、フェリーの揺れも比較的激しいらしい。

しかし、毛利水軍の後裔でもある羊好大尉にとって、この程度の波揺れなぞ、屁のカッパ。

揺れろ、もっと揺れろ!
日本海の荒波は、こんなもんやないで!?

とか、いいながら、滑って転んで肉離れとかはやなので、慎重にデッキをウロウロしている。

足元は気をつけないと危ないからね。
伊勢湾を、鳥羽よりに航行中。

もうすぐ、鳥羽港に着く。
航行時間の1時間なんて、あっという間だった。

楽しいフェリー航行も、もう終わりかあ。
次は、逆方向で乗ってみても、いいカモ!!

鳥羽港、到着です。

あー、楽しかった。
とはいえ、名古屋を10時に出て、間もなく15時。
なかなかの時間を要するフェリー旅でした。

あとは、近鉄乗って、帰りましょう。
最後には天候にも恵まれ、よい船旅となりました。

【おしまい】

うどんサイクリング部(明日香村編)2021.7


7月某日。

朝から、もう暑い真夏の日。

集合場所の、近鉄新田辺駅前に、早めに到着した羊好大尉。ひうらー伍長はまだ来てないようだ。
待ってるついでに、駅前のなか卯で朝メシ食おう。

ざるうどんが、生姜効いてて美味すぎる!

店内も涼しいし、お腹も満たされた。もう、暑いので、外に出たくなくなっちゃったし、このまま帰りたいな・・・。

やってきたひうらー伍長に、そう提案したら、
「朝も早よから、オンドレがどっか行こうと呼び出しておいて、帰りたい?アタマおかしいんか!💢」
と、キレられる。

ヒーーー!?

というわけで、新田辺駅から近鉄電車を乗り換え、乗り換えして、橿原神宮前駅にやって来た。

奈良県・明日香村近辺の古いお寺を巡りながら、サイクリングするのです。
うどんサイクリング部活の一環だ。うどんは、もうさっき食べちゃったけど。

早速、駅前でレンタサイクルの手続きをする。
今日は、電動サポ付き自転車にしよかな。

「・・・ええ?電動自転車なん?そんなん、サイクリングの意味ある?健康のために運動すんやろ?」
と、ひうらー伍長が、ヨコから文句を言う。
どうやら、普通の自転車でのんびりサイクリングするつもりだったらしい。

哀しいけど、そんな体力が、我々にあるワケないやろ。
秋冬ならともかく、こんなカンカン照りの中、明日香村の丘を越え坂を下ってはまた上り、と自転車漕いでたら、途中でバテて、熱中症で死に至るわ。

と、明日香村の起伏をなめた発言を封殺し、電動自転車を2台レンタルする。
暑さ対策の野球キャップ(どこのチームかよくわからんヤツ)も被り。

では、橿原神宮前駅前から、うどんサイクリング、スターートです!

マスクを外し、ご機嫌で鼻唄歌い、口笛を吹きながら、電動自転車をぐんぐん漕ぐ。
暑いはずなのに、自転車乗って進んでいると、風も当たってとても快適だ!ヤッハー!!
奈良ののどかな田園風景が広がり、道路には車も人もほとんど見当たらず。

うどんサイクリング、サイコー!!
いつまでたっても漕いでいたいーなーー。
と、ルンルン気分でぶっ飛ばしてたら。

「あ、ちょっと停止して。道の脇に寄せて。」
と、交通課の白バイよろしく、ひうらー伍長が突然停止を命じてきた。どうしました?

「道、わからんよーになった。あの寺がコッチで?川があっちで右手に曲がり?ぐぬぬ・・・」
とか、スマホ片手に苦悶している。

羊好大尉にとって、楽しいサイクリング自体が目的なので、行く先の寺なんて、正直どーでもいい。
それより自転車止まると暑いし、汗もダラダラ流れてくるし。早く進みましょうよ?

・・・まーーだーーー?

「うっさい!まだや!えーと?川を渡るまえに右折?左折?どっちや?ぐぬぬ・・・」

もう、どっちでもいーじゃん、右でも左でも。
奈良やねんから、どっかの寺にはたどり着くって。
早く行きましょーよー。

「うっさい!どの寺でもええワケないやろ!?アホなんか?ゔーん、ぐぬぬ・・・」

とか、この調子で、進んでは止まり、止まっては進み。
スマホGoogleマップとにらめっこしながら、ちょっとずつ進む。
もっと、スイスイ行きましょうよー。

「うっさい!!宗教心の欠如したうどんバカは黙ってろよ。コッチやコッチ!!行くぞーー!」

とか、飛鳥寺に向かって自転車で右往左往してたら、道の向こうに大きな鳥居が見えた。

あっちに鳥居⛩みえますよー、と飛鳥寺への道標になるかと思ってひうらー伍長に注意喚起したら。

ひうらー伍長はキラリ、と目を光らせ、
「たまにはいい事言うやないか、羊好タクくん。そうか、そんなにもそこの神社にも行きたいのんか。ヨシヨシ」

と、独り合点し、自転車のハンドルをグイッと曲げ、神社の方にグングン進み出した。

え!?い、いや、ちゃいまんねん、神社行きたいなんて私、ひっとことも言ってない。道標になる思て言うただけで。ねえ、ちょっと聞いてます?ねえってば!?
と、慌てて訂正するが、全然聞いてない。

あー、もー、いらんことゆうたー( ;  ; )

鳥居⛩のふもとに到着。
飛鳥坐神社』とかいう神社を、急遽参拝するハメになった。

駐輪場に自転車置いて、神社へと歩き出す。
真夏なので、地獄のように暑い!
しかも、そのナントカ神社はちょっとした小山の上に建ってやがり、このクソ暑いのに階段を上ってかなあかんやないの。

「いやあ、感心かんしん。これからも、この調子でアンテナ張って、神社仏閣みたら報告するよーに!」
と、ご機嫌なひうらーが、石段を上りながら、勝手な事を言うてる。

階段、のぼんの、しんどい!!
アンテナはしまっとこう!
私は、楽しい、サイクリングしに、きた、のに!
かいだん、キライ!( ;  ; )

飛鳥坐神社に無駄に寄り道し、余計に体力を消耗したので、最初の目的地『飛鳥寺』に到着した時には、暑さとも相まって、グッタリしていた。

フラフラになって自転車を降り、金星の表面みたいな日光に突き刺されつつ、ふらふらと飛鳥寺本堂前にたどり着く。

御朱印ーー!」
と叫んで、ひうらー伍長はどこかに走り去って行った。
この灼熱の中、なんでアイツは、あんなに元気でいられるんだ?

高い参拝料を払って、ぬるいクーラーが効いた寺の本堂に入場し、ようやくひと心地。
ふはあー、暑さで死ぬかと思った。

見上げれば、本堂中央に、飛鳥大仏が涼しそうに座っておられる。
いいですねー、ここは涼しくて。うらやましいです。

やがて住職自ら語る、飛鳥寺の縁起話が始まった。

「・・・この飛鳥大仏は、見上げる角度によって、喜怒哀楽のかたちが違って見えます。よろしければ、みなさんも、いろんな位置から大仏さまを拝んでみてください」

ほおー、と参拝客たちは、あちこちに移動しては、しげしげと大仏を見ている。

が、羊好大尉は、本堂の扇風機の風がもっとも当たるベスト・ポジションから、一歩も動かず。

ひうらー伍長が、「逆から見る大仏は表情が違ってみえるよ。見てみなよ!」とか言ってくるが、シッシッ!と追っ払う。

我こそは仏を守る、不動羊王なり!
ここを一歩たりとも動くわけにはいかんのだ。(涼しいから)

堂内を観覧するわけでもなく、扇風機の前に長時間立ち尽くしてたら、住職から不審な目で見られだし、仕方なく寺を出る。

守護神・不動羊王を追い出すなんて、この寺も終わったな。

天空の太陽はいよいよ燃え盛り、暑さはおそらくピークに達している中。
次の目的地、岡寺を目指し、電動自転車を走らせる。

はーー、自転車を乗ってると気持ちいいねん!
サイクリングはサイコーやね!

もう、岡寺なんて行かんでよろしやん!どーせ、寺名のごとく、岡の上に建っとんやろ?
しんどいがな!暑いがな!!

「宗教心欠落野郎のノータリンは黙ってろよ。何しに明日香村くんだりまで来てんねん。寝言は寝てゆえ。あッ、止まって!また道わからんようになった!」

と、またもや白バイのごとく停止を命じ、スマホとにらめっこしだす、ひうらー伍長。

・・・なかなかスムーズにサイクリング、できないものですねー。

電動自転車で行きつ戻りつし、岡の上にある、岡寺に到着でござる。

乗ってた自転車は、岡の裾もすその駐輪場に停め。
岡寺への参道坂を上りはじめる。

シンドい!坂キツい!アッツい!
上り坂、キライ( ;  ; )!

不平と不満をゲロみたいに吐きまくりながら、トボトボと参道をあがっていく。

ひうらーは伍長は、山岳歩兵のようにスイスイと坂を上がって行く。堂内に着くや、
御朱印ーー!」
と叫んで、境内に消えていった。

なんであんなに元気なんだ?
ヤツには、なにかしらの仏の加護がついてるに違いない。

さっきの飛鳥寺の3倍くらい広めの本堂は、4倍くらいクーラーの効きが悪く、しかも扇風機がない。飛鳥寺には2台もあったのに。

不便な岡の上に建てといて、どうゆう寺やねん。
ダイキンの業務用冷房機を、10台は導入しとくべきやろ!
それだけのカネは、信者の善男善女からまきあげとるやろ!(根拠なし)

けしからん!と腹を立てた羊好大尉は、1ペソも賽銭箱に入れる事なく、ドスドス!と足音荒く岡寺本堂を退去した。

その後、お堂そばの休憩所で、扇風機の風が当たりまくる場所から、でん!と腰を落ち着け、ビタひとつ動かず。

信心深いひうらー伍長が岡寺境内をウロチョロし、参拝し、奥之院に詣で、写真を撮りまくってた小1時間。
羊好大尉は、休憩所の警備員として、保安にあたっていた。(あー、涼しい)

「・・・そこでなにしてんの??はあ?せっかく岡寺来たのに、ここで1時間、ずーっと扇風機にあたってベンチに座ってただあ?アホにつける薬はねーな。」
と、ひうらー伍長に吐き捨てられ。

御朱印その他をゲットし、ホクホク顔のひうらー伍長をよそに、ほうほうの体で岡寺を退去する、かわいそうな羊好大尉なのでした。

寺の裾のすそに置いてた、電動自転車『3代目タクちゃん』号(勝手に命名)に乗り込み、明日香村サイクリング、再開だ!

羊好大尉にとって、その辺のお寺は『サイクリング休憩所』の位置づけであり、おそらくひうらー伍長にとっては、『御朱印販売所』なのではなかろうか。

サイクリング再開して、スイスイ気持ち良く走ってる途中で、そういう意味合いの事を、ひうらー伍長に言ってみたら、顔を真っ赤にして、

「この罰当たり!今に仏罰がてきめんに当たるから、悔い改めよ!!」と叱責された。

えー、そうかなー、的を得た発言ちゃうかなあー。(ホジホジ)

次の目的地、橘寺に到着。
緑に囲まれた、とても優雅な良いお寺だ。(平地にあるので)

お寺(休憩所)はこーでなくちゃ、と内心思いながら、自転車を停め、橘寺の境内をゆっくりと散歩する。

ひうらー伍長は、寺の御朱印販売所の方と、血相を変えてお話し中。

橘寺は、施設の一部が改修工事中のようだ。

ここも本堂内の冷房がまったく効いてない。てゆーか、堂内を開けっぱなしにして、解放しておられる。
これは、これで風が通って、気持ちいいね。

本堂内をグルリ一周した後は、風通しの良い外廊下で、思う存分涼風を楽しむ。

あー、涼し。気持ち良き。

「あ、また、涼しげポイントを探して、目敏いなあ。さすがですな」
と、ひうらー伍長がイヤミったらしく声をかけてきた。

ほっといてちょーだい。
こうして自然の風を通じ、仏の縁(えにし)を感じとっとんねん。

アンタみたいに、仏像の前で這いつくばらんばかりに拝み倒すだけが、信仰のカタチやないねん。

「美しい仏像に出会い、たんと功徳を積んで、心の平穏を得るわけやねん。それに比べて、功徳の足らん羊はといえば・・・」
などと、功徳くどく、と、クドクド言いはじめたので、うるさいからシッシッ、と、ひうらー伍長を追っ払った。

御朱印販売所で御朱印買い漁り、撮影禁止やゆうのにパシャパシャ仏像の盗撮しまくるのが、なんの功徳やねん。

涼風に身を委ね、いつまでだってここにいたかったが、とても名残惜しい思いで橘寺を出発。
ホントにいいお寺だった。(平地にあるので)

サイクリングの最終目的地は、地元の温泉銭湯。
『太子の湯』へ、レッツゴー!
少し曇ってきたのもあり、気温もややマシとなり。

『太子の湯』の大浴場で、たっぷりとかいた汗を洗い流し、スッキリサッパリ。

存分に湯浴みを楽しんだ後は、涼しい休憩所で寝っ転がり、プチ仮眠。
キンキンに冷えたカルピスソーダを飲んで、羊リラックス。
うはーー、生き返りますう・・・。

暑くてしんどかったけど、明日香村サイクリング、最高でした!

ひうらー伍長は、各寺の御朱印を山ほどゲットしたり、仏像の(違法な)撮影にも成功したせいか、ホクホク顔だ。

功徳とやらは・・・たぶん、積めなかったと思うよ。知らんけど。

おおむね、楽しき明日香村サイクリングなのでした!
近鉄飛鳥駅で、レンタサイクルを返却した後、スパークリング・アクエリアスで乾杯!
おつかれっした!

帰りは京都駅前の焼き肉屋で、打ち上げ。
肉も美味かったけど、運動した後は、生ビール🍺やね!

また、涼しい季節に、もう一度行きましょう!

【おしまい】