ゴールデンカムイ聖地巡礼鉄道の旅2022.9(2日目)


2日目。

苫小牧のホテルで朝メシをいただき、ゆっくりコーヒーを飲む。
今日は、そんなに朝イチからは活動しない。
観光というよりも、移動がメインの日。
本来なら、ウポポイ終わりで函館市へ直行し、函館観光、聖地巡礼を楽しむ予定だったが。

「ちょ、待って!?途中にある登別温泉も、Gカムイに出てくるし!あと、この『のぼりべつクマ牧場』が気になってしゃーない!ここはぜったい行きたい!!」
と、旅程を組んでる時、山猫少尉が、クマにグイッと引き寄せられて、旅程にねじ込んだのだ。

でも、確かに登別温泉なんて、こんな時しか寄ろうと思わんしなー。
ちょっと面白そうなので、途中下車的に、乗っかることにした。
クマ牧場は、まあサッと見るだけ見てさ。
いい時間に函館市内に到着できるように、時間調整して、温泉つかって。
ンな感じで、のんびり行こうよ。

苫小牧市では、まだ朝から少し雨は降ってる。
昨夜の教訓を活かし、ホテルにタクシーを呼び、朝9時頃、優雅に苫小牧駅へ。

「9時半ごろの普通電車で、ゆっくり登別まで行きましょう・・・ん?あり?もとい。10時過ぎですね」
どうやら、山猫少尉作成の事前練り練りスケジュール表に、多少の誤差があったもよう。
でも、今日はそんなツメツメスケジュールちゃうから。
なーんの問題もなし。
駅構内のベンチに座り、ダラダラ2人でおしゃべりしてりゃあイイっす。
とばかりに、雑談に花を咲かせる。

おー、室蘭行きの普通電車、来たでー。
・・・って、え?1両編成やん!?
これ、座れるんかなあ?荷物も多いから、立ちんぼは時間的にキツいが。
運の良いことに、ギリギリ座れた。やったね!
「・・・荷物多いし、隣は大きめの太羊だし!せーまーいー」
と、泣き言をいう、山猫少尉。
贅沢言っちゃあいけません。座れるだけ、ヨシとせねばなるまい。
登別駅まで、1時間ほど、電車に揺られる。

「・・・ぬあ!?ホントは、今回の旅に連れてきたかった『フォゼ尾』(ぬいぐるみ)が、今日自宅に配送予定ですって!?もうちょい早く、配達してくれたら、一緒に来れたのにい!」
と、山猫少尉が、スマホ見て悔しがってる。
フォゼ尾連れてくの、あんなに楽しみにしてたのにねえ。
結局、間に合わんかったのだね。

ガタンゴトン揺られながら車窓を見てたら、だんだん空は明るくなりつつあり、たまに青空も見え隠れするようになってきた。
昼からは、登別、室蘭地方は、天気良くなるみたいだ。
ヨシヨシ!

「あ!?見てみて、車窓から、馬が見えますよ!あっちには牛や!うわー!」
ホンマや!!この辺、牧場が広がってんのな!
と、ようやく北海道らしい光景を見て、興奮する山猫少尉と、羊好大尉。

昨日は荒ぶる風雨で、なーんも見えんかったもんね。

昨日、ウポポイで降りた白老駅を過ぎ。
電車はようやく目的地『登別駅』に到着。

コインロッカー(大)に、2人分のキャリーケースを放り込む。あ、ロッカーのカギは、私が保管しますので、悪しからず。

見上げれば、雨は降ってはないが、ちらほら青空も見え隠れしとるね!よし、出発や!

JR登別駅前からバスに乗り、登別温泉バスターミナルへ向かう。
海岸部から、山道を上がってゆく道のり。

徐々に、雲も流れて、さらに晴れ間が出てきました!

山間部、谷間にある登別温泉バスターミナルに到着。

歴史ある温泉地で、老舗温泉宿、ホテルがズラリと建ち並んでいる。
観光案内所で、本日のメイン目的地である『のぼりべつクマ牧場』行きの往復ロープウェイ兼入場券(往復)を割引き価格で購入。
帰りに寄ろうとしてた日帰り温泉のチケットも、割引価格で購入した。
割引き、わりびき!!

「割引き、やったー!いろいろお得感がありますね!」
と、割引きという言葉に弱い、関西人たち。

ロープウェイ行きシャトルバスに乗り込んで、ふと道の向こう側を、見てたら。

普通にキツネ🦊が、何かを口にくわえて、テッテッ、と足取り軽く、道を横切って歩いていた。

「え!?あれ?あの尻尾・・・キ、キツネですよね?」
キツネ・・・やなあ。どう見ても。

顔を見合わせる、羊好大尉と山猫少尉。
キツネも、野良犬なみに、普通に歩いてるもんなん?北海道では?

のぼりべつクマ牧場行きのロープウェイに乗り込む。
ハイ、ごめんなすって。
「うおお!?太羊の羊好大尉のせいで、ぶわんぶわん、大揺れしてるー!キャー!!」
と、山猫少尉が大げさに叫んでる。静かにしたまえ。
こんな揺れはじきにおさまる。平常心へいじょうしん。


登別温泉まで、バスでだいぶん山の上まで来たのに、さらにロープウェイで上へと運ばれていく。

うわーーーー!!高い!まだ上いく!?スゲーーー!!
思ってたよりはるか上へ、どんどん進んでいく!

あー、出発してきた登別温泉が、あんな小さく!?
向こうには、海も見えてきたでえ!?

遥かに広がる、登別の山々や眼下の絶景に圧倒される。
え!?うわ、まだまだ上がるん??

「す、スゴいロープウェイですね!ナニこれ!?こんな上に行くん?」

正直、チョコっとクマ牧場に運ぶだけのロープウェイや思ってた。
高さもすごいし、距離も相当やで!?
ロープウェイ内で、目を輝かせてキャッキャ言うてたら、山上の『のぼりべつクマ牧場』にとうちゃーく。

ゴールデンカムイ聖地巡礼にゃ、ぜんぜん関係ないんだが(登別温泉は舞台になっている)、せっかく登別くんだりまで来たからにゃー、クマ牧場くらいは見ておこか。

と、あんまり期待せず入場したら、いきなり子熊のエサやりイベントがやっていた。
飼育員が、生きてる魚を水槽に投げると、アホな子熊4頭がキョロキョロしながら追いかける。
「かっ、かわいいいーー!キャー!」
目をハート♥️にした山猫少尉が、スマホで子熊たちの写真をバシバシ撮ってる。

周囲の観客も、子熊たちに声援を送り、写真や動画を回しまくる。
ハッ!?私も動画、動画!

まったく魚が捕捉できないので、とてもアホな子熊は、水槽を出て、ガラス越しに魚を追いかけはじめた。
魚は見えてるけど、もちろん捕まるわけない。

子熊は右へ左へ、魚を追いかけては水槽にパンチ、追いかけてはパンチを繰り返している。

・・・アホなヤツほど、可愛い!!

子熊VS魚の、マンガみたいな追っかけっこを、たっぷり堪能した頃には、もうクマ牧場のトリコになっていた。

クマ、きゃわいーー!!キャー!!

飼育員さんによる牧場のクマの紹介や、オヤツ投げなど、参加型のイベントが楽しいクマ牧場。
メス熊たちは、愛想よくポーズを取ったり、手を振ったりしてアピールするので、これまた可愛い!

急いで売店に行き、小さな球形のオヤツひと袋を買い込み、面白アピールしてるクマに、投げ与える。

そのまま、ダイレクトキャッチして、パクっ!とオヤツを食べるクマ。

観客は、大喜びの大盛り上がりだ!
「ヤバい!!クマ可愛いすぎる!!アタシも投げるー!てーーい!!」
と、山猫少尉が目をハート♥️にしてオヤツをクマに投げる。スパチャみたいになっとんな。

私も、後ろの堂々としたクマちゃんに、ぴゃっ、とオヤツを投げてみたが、少し方向が外れてしまった。

エリカ様(23歳女子)は、外れたオヤツ玉には、見向きもされぬ。
コッチを見て、くいくいっ、と手招きされておられる。

ははっ、今度はちゃんとエリカ様のお口辺りに、放り投げまする。
てーーい!

今度は上手く飛び、エリカ様は満足気にポリポリと優雅にオヤツを食されていた。

「・・・ちょっと、クマ牧場、楽しすぎますね!!」
と、オヤツ玉をぶん投げながら、山猫少尉がケラケラ笑っている。

全くの同意見でがんす。こんなもん、いつまでだっていられる!クマ牧場🐻、サイコー!!

ウヒウヒ笑いながら、羊好大尉も山猫少尉も、クマ牧場を満喫してるのでした。

ヒルのレースにも参加してみる。

「うーん、1番元気がいい、緑の子かなー。よし、緑に1点賭ける!」
と、緑(首輪)アヒルのトリ券を買う、山猫少尉。

私は、あの不敵な面構えの黒アヒルやな・・・。
一見、ヤル気無さそうに見えるが、秘めたる闘志を感じる。アイツは、本番になったら力を発揮するタイプだな。そうに決まった。アイツは、俺だ!(シンパシー)

よし、黒アヒルのトリ券をください!

「えー、やめといた方がいいと思うなー。下向いて全然ヤル気なさそうやし、ビッコひいてません?黒のアイツ」
と、首を傾げる、山猫少尉。

いーや、それは全くの見当違い、いや、胴元の罠やね!
あんなわかりやすい元気な緑アヒルに勝ってもらっちゃあ、おまんまの食い上げやん。

完全に客を騙してる、あの太々しいまでの態度・・・黒アヒルのぶっちぎり勝利に賭けたぜ!!

飼育員さんに大枚200円を払い、黒アヒルのトリ券をゲット。

「それではー、みんな、スタート位置まで歩こうねー、ほらほら、黒アヒルちゃんはなんでそんなやる気ないのかな?みんな行っちゃうよー。早く動いて、歩いてよーー」
・・・レースは、緑アヒルが、パタパタ元気に走りきり、ぶっちぎりの1位だった。

黒のアヒルは、不貞腐れたように全然歩こうとせず、飼育員に突っつかれて、イヤイヤ走ってるフリをし、最後はテキトーに歩いてやがった。

「ヤッターーー!!緑アヒル、最強!賞品のワッペンゲットだぜ!!」
と、ピョンピョン飛んで喜んでる、山猫少尉。

・・・。

こ、こんなはずでは・・・。
あのやる気のない黒アヒルは、クマのエサになっちまえばいい💢。

クマ博物館で、歴代ボス熊の履歴を読んだり、クマ毛皮を見たり、凶暴ヒグマの記事を見たりした後、上階の展望台から、クッタラ湖を眺める。

アホな子熊や、脱力系女子熊エリカ様(23歳)や、愚鈍な黒アヒルやらの喧騒を忘れさせる、雄大な眺めだ。

しみじみと、カルデラ湖について思いを馳せていると。

「館内に漂うカレーの匂いがヤバい!そろそろお昼ごはん、食べましょうよ!」
と、山猫少尉言うとんので、階下のレストランでランチ。

私は、あったかい山菜そばを食べる。
山猫少尉は、エビフライカレー。

あのクマは可愛かった、あのアヒルはダメな鳥だ、とか、ワイワイ楽しいクマ牧場の感想を言いながら、モグモグ昼メシを食べるのでした。

とても名残惜しいが、撤収のお時間がきたので、クマ牧場を後にする。

ステキロープウェイで、眼下に広がる絶景を楽しみつつ、登別温泉街に戻ってきた。
割引きのきく日帰り温泉で、ひとっ風呂浴びる。

登別温泉の硫黄の匂いが、温泉地っぽいよね。
この雰囲気が、たまりまへんなー。

ホコホコ湯気をたてながら、登別駅行きのバスを待つ。
ヒマなので、山猫少尉とボソボソ雑談しながら、待つ。

登別駅から、特急北斗号に乗り、一路、函館を目指す。
約2時間40分の行程。

内浦湾を左手に、大きく湾曲しながら、特急北斗は走る。

湾の向こうの景色も見えて、ロマンチックなステキ車窓ですねえ。

ボーッと、夕日の落ちる景色を見ててもいいねんけど、そんなんはすぐに飽きる、羊好大尉と山猫少尉。

「京都のゴールデンカムイ展物販で買ってきた、Gカムイトランプで遊びましょう!」
と、座席の机を展開し、その上でシャッカシャッカ、バリバリと、器用にリフルシャッフルする、山猫少尉。

あのー、そのトランプ、私のやねんけど・・・。
あまり、雑に扱わないでよね。

それから、えんえん1時間以上、お土産のウポポイラスクをコイン代わりにして、ポーカーに興ずる。

ニャーニャー大騒ぎしながらポーカーで勝負してたので、途中、車掌さんに「あー、お静かに願いますよ」と注意された。

す、すみません・・・。(こんなんばっか)

19時24分、函館駅に到着!!

途中、山猫少尉にポーカーでボロ負けし、ラスクをまるごと全部かっぱわれそうになったが、後半盛り返して、ほとんど取り返し。

ナニはともあれ、憧れの地、聖地函館に降り立ったのです!
うーん、感慨深い。

とりあえずは、駅前のホテルに荷物を放り込み、市内に繰り出しましょう!

函館駅で、土方さんにお出迎えしてもらう。
明日は、五稜郭でお会いしましょう!!

市電に乗って、ナニはともあれ、夜景を楽しむため、函館山ロープウェイへ。
やたら混んでたのは、連休中でもあるからかな?

函館山展望台は、さらに人集りがスゴイ。

有名な、100万ドルの夜景を眼下に見おろす。
やっぱり、実物はいいねえ。綺麗だね。

聖地函館、ついに来ちゃったね!
「どっちが五稜郭かな?」
あの、右奥の光がない方やろなー。明日行こう。

「尾形百之助終焉の地は・・・」
函館駅がアレやからー、その手前の波止場が目印に・・・。

と、100万ドルの夜景を目の当たりにしながら、Gカム函館編のエピソードと照らし合わせる、カムイオタクたち。
存分に夜景を楽しんだ後は、展望台階下の物販コーナーへ。
物欲リミッター、解除や!!

「ようかん!チーズ!イカ!チーズイカ!!クッキー!ビール!いちごミルクサワー!」
と、熱に浮かされるように、かたっぱしからお土産モンを買いまくる、羊好大尉と山猫少尉。

函館の夜が、我々を狂わせる!!
肩掛け、リュックがパンパンになるまで、お買い物。
ふー。

ロープウェイ乗って、函館山から夜景も見て。
たんまりお土産も買い込んだ。

混んでたけど、登ってみてよかった!山麓駅までの上り坂道がしんどかったけど、登ってヨカッタ!

ふと、函館山ロープウェイのサイトを見てみたら、明日から11月まで、まさかの定期点検のための運休やった!?

「うそ・・・ほな、今日までしか、ロープウェイ動いてなかったんですか!ギリギリ間に合ったやん!スゴい!」

そ、それで、なかなかの混み具合やったんか・・・。
そうとは知らず、遅いから明日にしようか?とか検討してたで。あっぶなーーー。

市内電車に乗って、函館駅前に戻る。
お腹はぺこぺこ。
もう、21時前やもんね。
夜9時過ぎ。ホテル近くの有名イカ居酒屋『いか清』に飛び込む。
2人、予約もなーんもしてませんけど、いけますかー!

2階のカウンター席に通してくれたので、私はサッポロビールクラシック。山猫少尉は日本酒で。

念願の、聖地・ゴールデンカムイ最終決戦の地、函館の到着を祝して!カンパイ!!

・・・くはーーー!サッポロ生ビール🍺だよな!
サイコー!!
『いか清』に来たからには、イカのお造りはいただかなくてはならぬ。

さばいてすぐなので、イカ足はピクピク動いてる。
醤油をつけて、山猫少尉が、口に運ぶ。

「美味しい!!新鮮!!歯応えもサイコー!」
と、目をキラキラさせてイカ刺しを頬張っている。

どれ、私もいただきましょうかな。
あ。(ピシャ)醤油皿にイカ足落としちゃった。

醤油が飛び散っちゃって、ゴメンナサイねー。

「あーー!ワタシの白ブラウスに醤油があ!?」
と、山猫少尉の悲鳴があがる。
げえっ!?そんなに飛び跳ねたの?醤油??
ご、ゴメン!
この、イキのいいイカが全部悪い!イカがなものか!?
なんつって。

「・・・」
山猫少尉にジロリ、と睨みつけられる。

スミマセン・・・。
あったかいおしぼりで、ごしごしすれば、あるいは・・・。

あっ、ホッケ焼ききましたね!
気を取り直して、いただきましょう!

お酒も進み、函館の夜は楽しくすぎてゆく。

ゴールデンカムイの、各名シーンを振り返り、考察を発表してみたりして、盛り上がったり。

函館で、こんなGカム飲み話できるっつーのが、粋じゃないですか。ホッケもウマウマ。

「今日は移動の日だったのに、予想外にクマ牧場が面白ろステキすぎましたね!函館夜景もヨカッタ!楽しかったー!」
と、山猫少尉も満足そうで。
良い1日でした。

美味しいお酒と、肴を時折つまみながら、山猫少尉とえんえん話していると、0時になっちまった。

あーあ、飲んだ飲んだ、食うた食うた。しゃべったしゃべった、笑った笑った。
気がついたら、いか清の本日最後の客になってしまってた。

名残はつきぬが、明日も早いし、かえろカエロ!

【つづく】