ゴールデンカムイ聖地巡礼鉄道の旅2022.9(3日目)

3日目。

早起きして、函館朝市に繰り出す。
『きくよ食堂』で、海鮮丼モーニングといきましょう。
「ううん、アタシは、三色海鮮丼かなー。ごはんは小で」
と、控えめなことをいう、山猫少尉。
どうしたん?体調悪いんか?

「だって、今日はこの後、お団子食うて、ラッキーピエロいって、スイーツ食べて、すき焼き食うてと、グルメが立て込んでますからねー。まずは様子見や」

ふーーん。慎重なのね。
私は、四色海鮮丼、ノーマルで!!
四色海鮮どーーん!!

ホタテとカニと、ウニとイクラちゃんですう!
これに、ワサビ醤油かけて、白米とかっ喰らう。
たまに、味噌汁。そして、たくあん。あぁ・・・。

美味いに決まってるやろーー!(恍惚)

思ったより、丼ぶりはかわいらしいサイズだったので、そんなに腹いっぱいにはならず。
お値段は、そこそこ。

函館の朝市感を満喫できたので、もう、朝からハッピー!ウフフ!
食後は、函館朝市の各店をブラブラ見て周る。

昨夜、函館山でバカみたいに買い物してへんかったら、バンバン買っちゃってたとこやけど。
見るだけ、スルー、と。

本日は絶好の行楽日和。
スキップしながら、函館駅ホームを歩く。
長万部行き普通電車は、今日も安定の1両編成。
だが、これあることを予想して、早めにホームで待ち構える、山猫少尉と羊好大尉。

それきた!乗り込めーい!

「座席、ゲット!!よっしゃー!」
と、窓側を占拠する山猫少尉。
朝早かったからか、比較的空いてた普通電車にガタゴト揺られつつ、作戦会議中。

今から向かう先は、『大沼公園駅』。

駅前で販売してる名物『大沼団子』が、ゴールデンカムイに登場するので、聖地巡礼の一環だ。

「予定では、大沼団子を食べ、午前中いっぱい、大沼公園の遊歩道をゆっくり散歩するか、池でボート乗るか、レンタサイクルでサイクリングするか、というとこやったんですが」
と、るるぶとにらめっこしながら、山猫少尉が言う。

「コレ読んでたら、大沼公園から近くではないんですけど、『函館七飯ゴンドラ』ってのがあるんですよねー。」

ほほお!?ゴンドラ!

ロープウェイ、ゴンドラ、ケーブルカー等、労せずして山上に行ける乗り物は、羊好大尉は大好きだ。(上り坂とか階段はキライ)
がぜん面白そうやから、乗ってみようぜ!!

「でも、そうすると、12時半頃に、函館行き普通電車の時刻には、間に合わないカモですよ?」
と、練り練り予定メモを取り出す、山猫少尉。

普通が間に合わんかったら、特急乗ったらいいやん。
それより、ゴンドラ!ゴンドラ!!

「まあ、そうですね。んじゃ、予定にはなかったけど、七飯ゴンドラ乗りましょか。晴れてるから、きっと山上の景色も良いですよね!展望台で、お団子食べましょうよ!」

面白そうだったら、すぐにキュッと予定変更して飛びつくのが、我々の流儀だ。

吉と出るか、凶と出るかは、神のみぞ知る。(テキトー)
大沼公園駅、到着。

駅前の観光センターに飛び込み、大沼公園の詳細な情報と、七飯ゴンドラについて、いろいろ教えてもらうことにした。

『函館七飯ゴンドラ』は、駅前から無料送迎バスが出てて、20分ほどで山麓駅に運んでくれる。
山上には、展望台やカフェがあり、なかなかのステキスポットだそうな。

大沼公園は、いろんな遊歩道コースがあり、小1時間で周れるのもあり、と。なるほど。
大沼外周を巡る、サイクリングコースも魅力的だ。
「ちなみに、七飯ゴンドラの割引券をお渡ししてますが、いります?」
と、係の女性が勧めてくれた。

うおー、割引き券!いります!ください!
「ワーイ!割引き、割引き!!」

割引き券に狂喜乱舞する、関西人2人。
駅前の老舗団子屋さん『沼の家』で、名物大沼団子を買う。ゴールデンカムイで、鶴見中尉が食べたヤツだ!

醤油と餡、醤油とゴマの2包みを、分け分けして食べましょう。

「わー、これが、大沼団子かあ。すぐ今食べたいけど、山上まで我慢がまん」
と、写真だけ撮る。
少しお預けした方が、美味しさも増すよね。

しばらくしたら、ゴンドラ行きの送迎バスが来たので、乗っけてもらう。

ほとんど車もすれ違わない田舎道を、よそ見しながらのんきにぶっ飛ばす、バス運転手のおっさん。

「ほれ、アレが駒ヶ岳だわー!山の形は、見る角度で全然違うべや!おもっしろいねー」
だの、
「ここから、ずーーっと、牛の飼料のトウキビ畑が続くんだよー。牛はなまら食うからねー、たくさん作って、太ってもらうんだべや」
だの、頼みもせんのに、アレコレとローカル七飯ガイドをしながら、片手間でバスを走らせる。

お、お願いですから、前見て、黙って運転して!!
七飯ゴンドラに乗る。

・・・うほーーーい!!

好天もあり、駒ヶ岳の威容が眼下に広がる!
これは・・・良きゴンドラだあ!!

山頂駅に到着し、雄大な景色に見惚れる。
正面に駒ヶ岳、奥に見えるは内浦湾。遥か先には羊蹄山
「・・・見晴らしサイコーんとこで、お団子食べましょうよ」
山猫少尉が、大沼団子を広げる。
まさか、こんな絶景を見ながら、団子食うことになるとは。

だから、人生は面白い。
ベンチに座って、お団子を食う。
美味しいね、とか言いながら、小さな団子をハムハム食うてると。

「さ、さっきから蜂が、甘い醤油タレを狙って、ブンブンしつこい!うわーん!」
と、山猫少尉が騒いどる。

私の団子の方にも来て、ちょこちょこ箱の端っこを歩いている、食いしん坊の蜂。
私は別に気にもせず、追っ払ったりもせずに様子を見てると、だんだん大胆になってきた蜂は、欲をかいて、甘だれゾーンに飛び込んできた。

「あーーあ、欲張って、タレでベトベトになっちゃった。この蜂、飛べるのかなあ」

のんきに、団子とお茶で、秋の七飯高原を楽しむのでした。
ひとしきり、美味しい団子を楽しんだ後、少し歩いた先の展望台へ。
絶景写真を撮影したり、鐘🔔を鳴らしたりしたあと、カフェで、コーヒー飲んでゆっくりする。

見晴らし、サイコーや。
函館七飯ゴンドラ、満喫したな!
山上散歩と洒落込んで、後は函館市内に戻るだけやね。

「うーにゃ、まだ時間はあります!下に降りて、大沼公園の遊歩道を目一杯散策しなきゃ!」
と、妙にはりきってる、山猫少尉。

「お団子、ちょっと食べ過ぎたし・・・腹ごなしに身体動かさんと、お昼の『ラッキーピエロ』に差し支えがあるし」

と、ごもっともな意見。
よし、では早速、下山しましょう!(ゴンドラで)

名残惜しいけど、ホント素晴らしかったです、七飯スノーパーク!
お昼過ぎ。おしゃべり大好き運転手の送迎バスに乗り、大沼公園駅前に戻ってきた。

次の函館行きの特急まで、約1時間あるみたい。

「よーし、50分コースなら、電車まにあうやん!早足で、遊歩道をぐるっと歩きましょ!」
猛然と、山猫少尉が、ブンブン歩き出した。
は、速い、はやいて!?大沼周りの景色を見てる間もないくらい、早足やん!
山猫少尉は、ただでさえ歩行速度が速いのに、さらにギアをあげている。

「あの、どんくさい親子連れ(普通に散歩を楽しんでるだけ)を追い越しますよっ!それーい!」
と、前行く親子連れを、ピャッと抜き去る。

・・・あんまり、遊歩道で、前の人を抜かしたりはせんもんやけどね?聞いてます?ねえってば!?

「あの、たらたら歩いてるおじいちゃん(普通に散歩を楽しんでるだけ)連れも、追い越す!そーれ!」
と、前行くおじい連れも、ピャッと抜き去る。

速いて!?こんなん、遊歩道を歩くスピードやないて!?
競歩選手なみの速度で、大沼公園遊歩道を驀進する山猫少尉と、何度も転びそうになりながら、必死で後を追う、羊好大尉。
ああ、こんなウォーキング・デッドヒートを繰り広げると知ってれば、アヒルボートに乗ってたものを・・・時間がないやろから、やめといたんだが。

「団子の腹ごなしやもんね!ホレホレ、うらやましそうにボートを目で追っかけてる場合やないですよ!あえて、コッチに遠回りや!カロリー消費、カロリー消費!!」
と、うなりをあげて、コーナリングする、山猫少尉&羊好大尉。
皇帝ナポレオン率いた、フランス大陸軍(グランダルメ)の行軍速度は、きっとこのようだったのだろう。

ヒーー!早足、キライ( ; ; )
鬼のように、早足で遊歩道駆け抜けたら、40分で周り終えてしまい。
時間があるので、山川牧場のソフトクリームを、ペロペロ食う。
ああ、のども乾いてたから、ソフトクリームがうれしい・・・。

「地図で確認したら、遊歩道を変にショートカットしちゃったみたい。次は、ぐりーーっと大周りでしゅね」
ソフトクリームをペロッとしながら、山猫少尉は語っていた。
次来る時は、断固として、優雅なアヒルボートに乗るとしよう。遊歩道は、時間のある時にね!

大沼公園駅から特急に乗り、函館駅前に帰ってきた。

函館にしかないファストフード店ラッキーピエロ』で、ハンバーガーランチにしよう。
ゴールデンカムイ最終決戦の地である『五稜郭』にも行くつもりなので、市電で『五稜郭公園前』へ。

Gカム聖地巡礼の、核心部分へ向けて、ゴー!!
ご当地バーガーラッキーピエロ五稜郭公園前店にやって来た!!

もう、お昼もだいぶん過ぎてる時間なのに、店から溢れて行列ができてた。
メニューを見ながら、並ぶ。

私は、やはりみんな大好き『チャイニーズチキンバーガーセット』。これに決まりやね!

チャイニーズチキンバーガーに、ラキポテ、ウーロン茶がセットの、最強メニューだ。

「ワタシは、お団子のせいで、そんなお腹減ってないから・・・チャイニーズチキンバーガー単品と、なんかドリンクで。ポテトは、羊好大尉のを少しだけもらおっと。」

と、しおらしいことを言う、山猫少尉。
でも、よう考えたら、ほとんど私と食べる量は一緒なのだった。

レジ前に並ぶ、色とりどりのラッキーピエロ物販に飛びつく、山猫少尉と羊好大尉。

レトルトカレーは、3つで割引きがあるんですって!割引き!わりびき!」
割引きという言葉にめっぽう弱い関西人2人は、争うようにラッピ(ラッキーピエロ)カレーを買い漁る。

カレーなんて、なんぼあってもええからね!
そうだ、ラッキーガラナも買おう!
「アタシは、ラッキーコーヒーを買おう!きび団子も買おう!」
クリスマス前の米兵みたいに、山盛り物販を買い漁る。

ラッピ五稜郭公園前店は、ワンオペなのか、なかなか注文の品が来ない。

フォークを頼んでも忘れられてるし。
私のラッキーガラナも、山猫少尉のコーヒーもなかなか持ってこないし。

忙しそうに走り回ってるラッピ店員に迫り、フォークと飲み物をかっぱらってくる。

「・・・まだかなー、あー、やっときたキタ!」
ラッピの名物、『チャイニーズチキンバーガー』、ホワイトソースとミートソースがかかった『ラキポテ』が、飲み物と一緒に運ばれてきた!
さっそく、バーガーにかじりつく。

チャイニーズチキンバーガー、美味いっ!!
こりゃ、中毒性があるぜ。

「ラキポテ、もーらいっ。うん、美味しい!」
2人とも口の周りをマヨとソースでべとべとにしながら、バーガーとポテトを頬張る。

評判通りの美味しいラッピなのでした。
メニューも豊富で、何度だって来店したいよね!

きっと、また函館に来て食べよう!
ラッピからすぐそこの、五稜郭タワーを登る。
眼下に広がる、五稜郭が美しい。
稜堡や、内部施設を目の当たりにしながら、
あの橋の上が、鯉登少尉と永倉新八が激突したとこや!新撰組、もえー!!とか、

「ソフィアが鶴見中尉と向かい合っての名シーンや!」とか、

「北門から、颯爽と谷垣ニシパが現れて、アシリパと合流したのは、ここかな?」とか、

アレが奉行所の前なら、あの辺りからアイヌの権利書が埋まってたハズ!とか・・・。

ゴールデンカムイ最終決戦の地・五稜郭を目の前にして、大興奮する羊好大尉と山猫少尉。
スマホを取り出し、デジタル書籍でページをめくりながら、

「尾形が潜んでたのは、どの辺りですかね?相手のヴァシリは?あの2人は、こんな離れた距離で狙撃し合ってたってこと!?スゴーーイ!神業やん!?」

五稜郭タワー展望台で、鼻をフンフンさせ、キャーキャー言うてる、聖地巡礼Gカムオタの、イタい2人なのでした。

しばらく、キャーキャー言うてるうち。
いちおう我に返り、歴史的建造物として、五稜郭を見直す。

五稜郭タワー内の展示物を読みながら、戊辰戦争の最終局面、箱館戦争の歴史に思いを馳せる。
最後まで有能な前線指揮官だった、新撰組副長・土方歳三の像を前に、襟を正す。

・・・。

新撰組、もえーー!!(あふれる新撰組愛)
土方歳三、最後の突撃。一本木関門にて。

この、土方さんの函館戦争での戦死が、歴史の闇に葬り去られていたはずの新撰組に光があたり、今も多くの人に称揚され続けてる一因なのだろうな。

ちなみに、ゴールデンカムイ作中での土方歳三の最期も、お涙ものです。

かっこよすぎるぜ、最後のサムライ。

名残惜しいが、五稜郭タワー展望台を降りて、五稜郭に向かう。

五稜郭タワー物販コーナーも魅力的だあ!
キャリーケースに貼る、シールを買ってしまった。
いよいよ、五稜郭公園に入園。

まさに、ここに来るために、はるばる京都大阪からやってきた!
ウキウキしながら、北門から内部に入っていく。

「まずは、中央の奉行所建物に行ってみましょ!」
と、さっき五稜郭タワーで決めた段取り通りに、進む。
函館奉行所

靴を脱いで、中をウロウロする。
そうだ、ARゴールデンカムイキャラをDLして、ご当地で写真が撮れるのだった。

アプリの操作がうまくいかず、よくわからんので、山猫少尉に依頼する。

「えーとねー、設定自体はちゃんとできてるから、ここの『許可する』んとこを、ポチッとしてください。」

おお!函館五稜郭では『土方歳三』が登場するやん!
ヤッターーー!!
函館奉行所に、土方歳三が出現や!
ARで、スマホ写真と合成し、土方歳三を登場させり!

ちょーど、アシリパさんのイラストもあったので、その横に配置させよ。

「アタシも、やろ!!」
と、奉行所を,キャッキャいいながら撮影。
奉行所縁側から景色を眺め。
そろそろ、行きましょうか。

奉行所を出る時に、玄関にでっかい無愛想なツボが3つ並べてあった。なんじゃ、これ?

「ああ、それは、発掘調査した時に、空のまま、玄関口に埋めてあったものなんです。ツボ3つとも滋賀の信楽焼で、なぜそれが玄関先に埋めてあったのか?なぜこんな大きなツボ3つも信楽から函館までわざわざ持ってきたのか?ナゾに包まれているのです」

と、係員の方が説明してくれた。

ほーー?んーー?と、首を傾げる、羊好大尉と山猫少尉。

係員も首をかしげていた。
ミステリーやね。

五稜郭内を、グルッと歩き回る。

そこかしこにある、説明書を読みながら、ゴールデンカムイ作中で、アイヌたちが金塊を埋めていた、馬屋の井戸を探して、歩き回ってたら。
まさに、厩舎の近くに、井戸を埋めたような跡が!!

位置からして、原作の描写からして、ここに金塊が埋められていたのに、間違いない!!

やった・・・。
とうとう、俺たちで金塊を見つけちまったね。


夕方の五稜郭公園内で、感慨深く立ち尽くした。

今日までの苦労した日々が、脳裏を走馬灯のように駆け巡る。

・・・雨のウポポイ。
・・・鳴らないムックリ
・・・ぐにゃぐにゃ木彫。

・・・クマ牧場ロープウェイ。
・・・脱力系女子クマ(23歳)エリカ様。
・・・やる気なし黒アヒル

・・・函館山ロープウェイ
・・・七飯ゴンドラ。
・・・大沼団子。

・・・ラッキーピエロ

・・・。
苦労もなんも、遊んで食ってただけですた。

五稜郭の外郭を、グルっと歩き回る。
そろそろ日も暮れてきて、気温も下がってきた。
鶴見中尉とアシリパの追っかけっこシーンの再現写真撮ったら、五稜郭公園を出るか。

聖地巡礼(函館編)、完了です。
大満足して、五稜郭公園を出る。
日もほぼ落ちて、函館市内に長い影を落としながら、歩き出す。疲れたー。

「今日は、ホントによく歩き回りましたよねー。2万歩以上歩いてるって」
と、山猫少尉が、スマートウォッチを見て言っとる。
2万歩かよ!?そりゃあ、クタクタになるわいな。

「ちょーど良き感じにお腹すいた!」
と、山猫少尉。

おまかせを。ちゃーんと、すき焼きの店をおさえてるから、もうちょっと歩こう。

すき焼きの名店『阿佐利』へ。
すいませーん、予約よりちよっと早いけど、いいですかあ?

ハイボールと日本酒で、カンパイ!!
今日はお疲れ様でした。
極上すき焼きセットで、『Gカムイ聖地巡礼函館旅行編』の成功を打ち上げしましょ!

「ワーイ!すき焼き、スキヤキ!!」
と、山猫少尉は、喜び勇んで肉を鍋に放り込む。
「おっとお、北海道のすき焼きは、タマネギ入れるのね。これはこっちにヨケヨケして、と。」

と、あいかわらずの好き嫌いを、ここ函館でも存分に発揮する、山猫少尉。

すき焼きつついて、お酒飲んで、おしゃべりして。
最高に楽しい聖地函館の夜は、こうして過ぎていくのでした。

【つづく】