別府温泉フェリー旅(弾丸編)2020.3


後輩のペンギン軍曹と、密かに計画を進めていた、『大分別府温泉・弾丸フェリー旅』。

さすがに、このたいへんなコロナ禍の中で、
「フェリー乗って九州いってきまーす!」
と、公言するだけの無神経さは持ち合わせてないので、誰にも言わず、ナイショでコソコソ計画を進めていた。

3月某日の金曜日。
出発の日の夕方。
仕事場から直行で、大阪南港フェリーターミナル待ち合わせなので、目立たない程度に終業準備に勤しんでいると。
部下のシマウマ伍長が、
「アレ?羊好大尉、今日は、仕事終わりでどこか遊びに行くんですか?ヤケに急いでるけど?」
と、言ってきた。

コイツ、いらんとこで妙に鋭いな、とイラッとしつつ、曖昧な笑いでごまかす。

「ははあ、さては後輩の女の子誘って、ボーリングでも行くの?オールナイトカラオケとか?ダメですよー、コロナ流行ってんのにカラオケは!!」

などと、しつこいシマウマを、必殺の空手チョップで黙らせる。

こんなアホは放っといて、18時までに電車に乗らなくては。大阪南港のフェリーが、私を呼んでいるのだから!

シマウマの亡骸を乗り越えて、定時ピッタリに会社を飛び出す。
地下鉄を乗り換え、ニュートラムで大阪南港に到着。

予定時間ピッタリで、今回の旅の相棒・後輩のペンギン軍曹と合流した。

近くのコンビニで、夜飲み用の酒とアテを買い込み、乗船口で、厳重な体温測定を受け。

フェリー・さんふらわあ号に乗船だ!
ペンギン軍曹によれば、料金が安い雑魚寝船室を予約したかったが、この時期なのに何故か満席だそうで。
「今回は、ツーリストベッドで予約とれたんですけど、いいですか?」

ああ、いいよ。むしろ、ベッドの方がありがたい。
コロナもあるから雑魚寝はマズいし、変な学生の団体と一緒なったらうるっさいやろし。

なにより、私のイビキで皆様に迷惑かけるのは避けたい。
すいみんじむこきゅう、なめんなよ!


「それなら良かったです。ツーリストベッドも、8人船室に我々2人だけですって。」
・・・どうやら、コロナ感染を気にして、フェリー会社側もなるべく連れのグループごとに、乗船客の配置を設定してるみたい。万一の、感染経路把握のためかな?
安い雑魚寝船室は、今回は閉鎖してるらしい。

羊好大尉とペンギン軍曹2人で、さんふらわあ船内を興味津々、ウロチョロしてみる。


さんふらわあ号に乗るのは、実は初めてだ。
コロナ状況下なのに、結構、乗船客は多いみたいやねー。

物販コーナーに、水色の『さんふらわあバスタオル』が売ってたので、勢いづいて買っちゃった。
隣には、展望大浴場もあり、ゲームコーナーもあり。
なつかしの、カップヌードル自販機も稼働中だ。

フェリーの上部甲板にあがってみる。
あれに見ゆるは、大阪府庁のビル。

とかしてたら、いよいよ出航だ!
さんふらわあ号は、大阪南港を出港し、夜の瀬戸内海を西に向かう。
窓際のラウンジスペースに陣取り、ゆっくり離岸していくフェリー夜景をながめながら、ペンギン軍曹と乾杯🍻。


ホントは、ビッフェ形式のレストランで、生ビールをグイッといきたいが、コロナ対策により、レストランは閉鎖中だった。残念。

でも、缶ビールとハイボールで、コンビニ(ファミマ)のツマミをアテにチビチビやるのも、なんかフェリー旅らしいね。
仕事の疲れも忘れて、飲みながら、ラウンジでゆっくりとおしゃべりする、羊好大尉とペンギン軍曹。
あー、楽しい。フェリーさいこー!
明石海峡大橋を見に、甲板へ。
いいねー。
海から見上げる明石大橋。フェリーに乗らんと、見られない画角の景色やもんね。
22時過ぎまで飲んだりペチャクチャしゃべってたら、小腹減ってきた。
「そんな時は、カップラーメンの自販機行きましょう!」
と、ペンギン軍曹がナイスな提案。

お湯を注いで、2人でずるずるーー、とラーメンかっこむ。

美味しいねえー!
カップラーメン食った後は、大浴場でひとっ風呂浴び。

さらに深夜飲みしながらゆったりしてると、今度は瀬戸大橋の下にきた。
日付が変わる真夜中にて。
瀬戸大橋を見上げながら、ペンギン軍曹相手に四国うどんサイクリングのエピソードトークもしつつ、楽しい夜は更けていく。

フェリーの旅って、本当に素晴らしいですよね!

🐏・・・🐧・・・🐏・・・🐧

翌日。早朝、7時30分頃。
大分県別府港に到着。

今日は1日中、別府温泉別府市内を巡りまくり、夜出航のフェリーで、大阪南港に戻る予定だ。

荷物は、フェリーターミナルのコインロッカーに放り込み、身軽になり、ペンギン軍曹と羊好大尉2人で歩き出す。
「朝から、地元温泉でサッパリしましょうか。24時間やってる、港近くの『かっぱの湯』で、朝湯です。」
はーい!大分が地元のペンギン軍曹は、頼りになるなー。

天気も良好。
今日は、地獄の別府温泉巡りやでえ!!

別府港にほど近い『かっぱの湯』で朝湯。
フェリー甲板で、さんざん潮風浴びてたので、温泉はありがたいね。
朝イチで、温泉入って、身体も顔も、ツルツルになる。


「そろそろ、おなか減ってきません?近くに美味しいパン屋あるんで、そこでモーニング食いましょう」
と、ペンギン軍曹。
地元民感が頼もしい!
美味しいパン、🥪大好きです。

かっぱの湯から徒歩10分。
パン屋さん『クラム』で軽い朝食。

パン屋のイートインで、タマゴ&ツナサンドと、マヨソーセージ、オレンジジュースをいただく。
美味しいーー!

ペンギン軍曹は、甘ーいケーキみたいなパンやらタルトを食べてる。それも美味しそうだな・・・。

パンを片手に、今日の地獄巡り作戦会議を行う。

「まずは、1日乗り放題バス券使って、血の池地獄・竜巻地獄に行きましょう。そっからまたバスで、鉄輪のひょうたん温泉で昼湯。そこで昼飯、のちに昼寝します。」

地獄温泉巡りね。かの有名な。

昼湯、昼飯からの昼寝って・・・ペンギン軍曹、キミはわかっとるねえ。さすがやね!

「へへ、長年の付き合いですから。羊好大尉の好む行動パターンは、お見通しです」

ペンギン軍曹の綿密な計画に、一も二もなく賛成し、オレンジジュースを飲みほし、パンくずを払って。
よっしゃ、ほな、いこか!

バスに乗って、別府市内を登ってゆく。
普段はもっと混雑してたであろうが、コロナ騒ぎで適当な感じの観光客しかおらん。

まずは『血の池地獄』に到着。
おー、、血のように、温泉が赤い。

次の『竜巻地獄』は、血の池地獄から歩いてすぐ。

竜巻のごとく、間欠泉が吹き出す温泉で、30分〜40分ごとに吹き出し、その後、止む。

さっき、吹き出したばかりだそうで。
座席に座って吹き出すところを待とう。

ペンギン軍曹と、おしゃべりしたり、ヒマなので物販コーナーを見たりしながら、竜巻を待つ。

待つ・・・。

・・・まだあ?

隣接する物販店が、ある程度売上げ達成するまで、人工的に竜巻噴射を制御しとんちゃうやろな?
と、疑心暗鬼になる。

ペンギン軍曹に意見してみたら、
「ははあー、地元民にそういう発想はなかったですねー。さすが、関西人の考え方ってエグいですよね」


そんなに誉めてもらっては恐縮地獄やなあ、カケラもほめてませんけど、えー?アハハハ!とか2人でニャーニャー言うてたら、やがてモクモクと水蒸気が上がりだし、ブシャー、と勢いよくお湯が吹き出した。うほーー!
竜巻・・・というか。

ウォシュレットみたい。

「あ!そんなこと大声で言わんで下さいよ、もう!!」
と、地元民ペンギン軍曹にツッコまれる。


ごめんなさい。でも、時間かけて、シャーっと出るなんてとこは、まさに・・・あ、いや、何でもないデス。

竜巻地獄の後、バスに乗るため停留所で待つ。

・・・来ないねえ。バス。
これは、バス待ち地獄やなー。

「さっきから、別府観光イズムをおちょくってません?」
と、地元民ペンギン軍曹の冷たい視線を感じる。
す、すいません。

やっとこ来たバスに乗り、鉄輪へ。
鉄輪温泉街をブラブラ歩いて、到着しましたのは、『ひょうたん温泉』。

砂風呂とかもあるそうだが、フツーの大浴場で、ゆっくり温泉を楽しむ♨️。

ええ湯やーー!(感動)
最近できてた魚の目も、ポロってとれた。
痛かったからありがたい。
温泉って、サイコーやね!

「この後、食堂で昼飯にしましょうよ」
わー、いーねーー!!👍
ビールも飲もう!と、湯の中でふにゃふにゃ緩みながら、ペンギン軍曹とだらだら温泉トーーク炸裂。
朝湯も良いが、昼湯もサイコーやーー。


お風呂上がり。
ひょうたん温泉のレストランで、とり天定食をいただく。
もちろん、生ビールもね!

とり天が熱くて柔らかくてホクホク。

カボスのポン酢と、よーあうんですわ、これがまた。
カラシもつけたら、食欲倍増。ウメーー!
とり天地獄とはこの事やな!

「地獄の使い方、間違ってません?」
と、ビールジャッキ片手に🍺、ペンギン軍曹に冷静にツッコまれる。

昼食後に、リクライニングルームへ。
枕を持ってきて、畳の部屋で小1時間お昼寝する。

風呂上がりで、お腹いっぱいで、ほろ酔いで。
気持ちよーーーーく、お昼寝できました。

さ、地獄巡りの続き、つづき。

『白池地獄』。白くて地獄か?バブ投入しとるん?

「バブちゃいます。」

かまど地獄・・・。
うーん、そろそろ苦しくなってきたか?

鬼山地獄は、ほぼワニ園。

せまーい池に放り出された大量のワニたちが、ただただ重なってる。

ワニにとっては、確かに地獄の環境やなー。


『海地獄』は、なんとなくちゃんとしている模様。
きっと、資本投下の差ですな。


ちゃんと青いし、湯気も立ってて温泉だし。
物販コーナーも、施設からして充実してる。

ラストは、『鬼石坊主地獄』。

地獄めぐりはこれにて完了!お疲れ様でしたーー!
地獄はもう、おなかいっぱい。

地獄巡りであちこち坂上ったりして、ずいぶん歩いた。
さすがに、疲れたっす。

「最後に、温泉寄りますけど、どっちがいいですか?」
と、ペンギン軍曹に聞かれる。

もう少しだけ山奥にいく、有名な温泉に行くか、市街地、下町エリアの、古くからあるお風呂屋か。

もう、しんどくて坂登るのはヤなので、市街地の、古いお風呂屋に決めた。

バスで、地獄温泉街から市街地へ降りて行き、歩いて『竹瓦温泉』にやって来た。
本日、別府での最後のお風呂だ。

入湯料110円なん?安っ!?

「市営の、昔からある色町のお風呂屋さんですから。」
と、ペンギン軍曹に説明を受けながら、古ぼけた板敷きの着替え場に入ると、先客で、団体客が10人ダンゴになっており。

もう、それだけで浴場は満杯だ。

身体洗ったり、頭洗う場所も、シャワーなんてのもない。
ケロリンの風呂桶が何個か放り出してあるだけの、公衆銭湯のようだ。

混雑(と言っても、12人くらい)して、着替えるスペースすらない。

何とかロッカーは確保。
手早く服を脱いで、ヌルヌルのタイルに足を取られつつ、ペンギン軍曹といっしょに、慎重に浴場へ向かう。

狭くて人数多いから、もう身体洗うスペースすらない。

適当に体に湯だけサッとかけて、洗ったそぶりだけしておき、とっとと湯船に身を投じる。

っ!!あ、熱ッ!!!

湯がとんでもなく熱いッ!!
入れるか入れんかギリギリの熱さや。肌がイタい!
こんなん、キツイなあ。

しかし、湯船の外に出たとて、座る場所もなく。
ガマンして湯に浸かってるしかない。

ペンギン軍曹をジロリ、とにらみつけると、
「こんな団体客いるなんて予想外ですよ。普段はこんなんちゃいますもん」
と、こっちも茹だりそうになりながら言い訳している。

2人して、アツイよーせまいよー、とブツブツ言いながら、タコみたいに赤くなって熱さをガマンし、湯船につかってると。


地元民の頑固そうなジジイが、ガヤガヤしてる団体客のマナーの悪さにイラッときて、手厳しく注意していた。

「湯船のヘリに座るな!そこは頭をつけるとこだ!」
「身体をキレイにしてから湯船に入れ!皆の迷惑になるだろう!」
注意された団体客のお兄さんたちは、シュンとしてた。

浴場にピリッとした空気が流れたので、羊好大尉とペンギン軍曹の2人は、怖くなって、コソコソと湯船から出ていくのでした。(チキン)

マナーに厳しっ!
常連客の態度、デカっ!

「地元民のための、安い市営銭湯ですしね・・・観光モードで来られたら、夕方のこの時間は、彼等にとっては迷惑でしかないでしょう」
と、ウンウン頷きながら、他人事みたいに分析しているペンギン軍曹。
そゆのんは、最初に言うてくれ、最初に。怖いよ。

アツくて怖い銭湯を出て、帰りのフェリーでの酒やらアテやらを、デパ地下で買い込む。

「乗船前に、軽く夕飯入れときませんか?」
というナイスなペンギン軍曹の提案に乗り、別府冷麺の店に行く。

別府冷麺の名店『胡月』にて。
あっさりスープが、具材のしっかりとした味とマッチして、とっても美味い!!
別府冷麺ってはじめて食べたけど、良いなー!
軽夕飯に、ちょーど良い。
次来たときは、温麺も食うてみたいな。

大分といえば、鳥のカラアゲ。

近くの唐揚げ専門店で、鳥の唐揚げも、お酒のつまみにたくさん買い込んでおいて、フェリーターミナルに戻る。

夜に出航のさんふらわあに、乗船です!

行きと同じく、フェリーのラウンジに陣取り、買い込んできたビールや、ハイボールを飲みながら、唐揚げつついて舌鼓!

デパ地下で買ってきたお菓子とか、おつまみにも手を伸ばしながら、酒を飲む。足りなくなったら、自販機で買い足す。

また夜遅くまで、ペンギン軍曹と、恋バナ、仕事バナ、リコンバナ。
別府の旅の振り返りもしたり、と楽しくおしゃべりに興じる。

スマホで『いただきストリート』で遊んでみたり。
田中角栄から教育現場など、いろいろなヨモヤマ話で盛り上がって、フェリーの夜は楽しく更けていくのでした。

フェリー旅って、ほんとサイコーですよね!(繰り返し)

🐏・・・🐧・・・🐏・・・🐧・・・🐏・・・🐧・・・🐏


翌日。

船内大浴場で、朝からひとっ風呂浴び。

朝のコーヒーを飲んでたら、大阪南港に到着。
寝てたら着くのが、フェリー旅の醍醐味やね。

また行こう!!と、ペンギン軍曹と固く約束をして、フェリーさんふらわあを下船するのでした。

あーあ、楽しかった!!

【おしまい】