海軍オタが行く『この世界の片隅に』聖地巡礼の旅(広島・呉)2020.5

GWの初日。

関西は朝からあいまいな天気で、なんとなく曇ってる。
今回の旅は、西国、広島県
ひうらー伍長と、いつもの気のおけない友人2人旅だ。

広島の呉を行き先に決めたとき、ひうらー伍長は、
「呉といえば、やっぱり『戦艦大和ミュージアム』行きたいなあー。ほいで、呉の鎮守府いって、さらに鉄のくじら館で潜水艦三昧!ヤッハー!」
とか、ミリタリー色の強い目的地を選定し、ひどく興奮しておられた。

私も、帝國海軍の歴史的展示には大いに関心があるが、最近見た映画『この世界の片隅に』の舞台となった呉市は、聖地巡礼の旅にもなる。

この世界の片隅に』とは、海軍の町・呉に嫁いできた、すずという若い女性の目線で、戦時中の生活を描いた同名のマンガを、アニメーション映画化した作品。

私がよく見てるトシヲちゃんのYouTube動画で、

「『この世界の片隅に』は、視聴者全員に、ぜひ観てほしい名作です!架空のマンガの登場人物が、ホントに実在するかのように錯覚させる卓越した演出と、すずさんを演じる声優『のん』がとにかく素晴らしい。なるべくこれは家ではなく、ちゃんと映画館で観てほしいなあー」

と、ことアニメに関して結構辛辣な意見をいう、岡田のトシヲちゃんが、珍しく高く評価していた。

上映してる映画館を探し回り、ようやく九条のマイナー映画館まで行って、『この世界の片隅に』を観て、キッチリ感動してきた私(単純)。

ぜひとも、すずさんが生きた広島、呉の町をみにいかなくては!

朝の新幹線に乗り、広島駅へ。
そこから呉線に乗り換え、海岸沿いに、コトンコトン、と電車はゆく。

電車の中で、日本海軍の空母艦内での高価な魚雷の管理について、アツく語っていると、アッちゅうまに呉駅に到着でござる。

さすが海軍の町。
駅のすぐ出たとこに、巨大な戦艦のプロペラオブジェが飾っとる。


大和ミュージアムは、こっちかのう」
「あっちかもじゃのう」
とか言う、ミリタリー色の強いジジイの団体も、ゾロゾロ歩き回ってるし。

呉の街を歩いてると、そこいらへんに「はくりゅうカレー」だ、「そうりゅうカレー」だと、海自艦の名を冠したカレーが看板を掲げてもいる。
帝國海軍の海軍カレーは無論のこと。




さすが、軍港呉市やね!(興奮)

興味深く見ながら歩いていると、まさに『この世界の片隅に』聖地にふさわしいものが。

この辺りが、場面の一シーンにでてきてるらしい。
この世界の片隅に』ロケマップまであった。

呉市及び海自全面推しのもよう。
市内各所に、すずさんの夫、周作さんとの美しい思い出の地が。
さすがに、呉市郊外の斜面辺り、住宅とかは無理やけどなー。


すっかり満足して歩いていると、キレイな街並みの坂道へ。

この緩い坂道を上ると、入船山記念館があるらしい。
鎮守府長官官舎他の施設が楽しみ。

あ!?『この世界の片隅に』作中の、北條家と浦野家の結婚式ご予約が!!
推してるねーー😁推されてるねーー!

これぞ聖地巡礼、とかみしめながら、さらに坂をゆっくりと歩いて、入船山記念館へ。


我々以外、観光客とていない、静かな敷地内を進む。


時計台と、大砲でお出迎え。
海軍の施設らしか。


鎮守府司令官は、かようなテーブルでディナーを食していたらしい。
ソテーだ、ステーキだ、プディングだと美味しそうやない。
私も、海軍軍人になるんだった・・・。

それはそうと、腹減ってきたなー。

入船山を下り、港方面へ向かう。
いよいよ、大和ミュージアムを目指すのだ。
車道脇を、おしゃべりしながら、ひうらー伍長と歩いていく。歩けど歩けど、港は遠く。
腹の虫は、25ミリ3連装対空機銃がごとく、激しく鳴り響く。ハラヘッタ!

私がしきりに空腹を訴えていると、
「呉にきたからには昼メシは海軍カレーと決まっとる。大和ミュージアム内で確かカレー食えるとこあるはずやから、海軍軍人だったら黙って空腹に打ち勝て!」

と、ミリタリー色の強い発言で、ひうらー伍長にたしなめられる。(私、ただの会社員ですが・・・)

は、はーい。
とかしてる間に、大きな商業施設内を抜けて、ついに『大和ミュージアム』到着でアリマス。
何年ぶりかなー。

超々弩級戦艦大和・・・。やまと!
燃えるぜよ!

嗚呼、大和よ!
漢のロマンのかたまりよ!!( ;  ; )うおーー!

酸素魚雷!93式や!ロングランス!!

零戦。これもまた、漢のロマン。

回天・・・特攻兵器。

見るとこ、たくさんありすぎ。
大和ミュージアムは、素晴らしいですな!

特に、戦艦大和の特大模型は、スゴイの一言でありますが、そろそろハラヘッタので、昼メシを食いたい。

ミュージアムに隣接してる外のCafeで、カレーを食おうよ。」
と決まり、ミュージアム内をひと巡りした後、カフェの様子を見てみると、長蛇の列ができてる。
あんなん、並ぶのはイヤやなあ。
大和ミュージアムの上階に進めば、なんかあるかもしれん。メシ食うとこ。

しかし、いけどもいけども、魚雷だの、回天だの、零戦だの、戦艦だの、重巡だの、戦争末期の激戦模様のパネル展示物だのが、えんえん続くのみ。(当たり前だ)

ここにゃー、フードコートもないのか!?
補給段列の軽視やないのか?いったい、軍令部は、海上輸送をなんとこころえちょるのか!?
帝國海軍のシーレーン護衛軽視の伝統を、ここに見た!

と、ワーワー叫んでると、ひうらー伍長に、
「フードコートなんてあるわけないやろ?ここはイオンモールちゃうねんぞ?大和ミュージアムや!」
と、一蹴された。
ああ、ハラヘッタ。( ;  ; )

空腹を抱えたまま、『海上自衛隊呉資料館・通称てつのくじら館』の前を通り過ぎよとしたら。

「今なら、次の入場回が予約なしで入れますよー」
という係員の声に、ひうらー伍長が飛びつく。
「え?次の入場いけます?ヨッシャ!ほな行こうぜ!」

ええーー!?次の次の入場でいいやん(ハラヘッタ)。
そんな急いで入場せんでも、潜水艦は逃げませんて。
それより、ランチを・・・。

「いーや、この機会を逃すわけにはいかん。多少の空腹なぞ、帝國海軍軍人ならば耐えてみせよ。よし、よくぞ言った!『てつのくじら館』に突撃せよ!!」
と、私がなにも答えちゃいないのに、入場口に引きずり込まれるのでした。(会社員なんですが・・・)




海上自衛隊の掃海作業に関する展示とか、潜水艦の内部とか。タイヘン興味深い。




潜水艦内では、1日4回の食事があるそうで、その献立とかみてると、余計に腹の虫が、かわいらしく鳴る。

小官、ハラ減ってもう倒れそうであります、とひうらーに弱音を吐くと、
「バカもん!それは私も同じだ。いっぱしの海自隊員ならば、胃の中の腹の虫を掃海せよ!」
と、たしなめられた。(会社員なんですが・・・)

たっぷりと潜水艦と掃海作戦について勉強し、てつのくじら館を出たら、さっきから降り続けてた小雨もやんで、程よく曇っていた。

腹を空かせながら、ヨタヨタと呉駅方面に歩いてると、良さげな地ビール店を発見。海自カレーの幟も立ってる。
ここで、カレーランチしましょうよ!

2人で減りに減った腹を抱えて、店内へ。

まずは、地ビールで乾杯!
半日歩き続けて、足も痛いが喉もかわいとる。

・・・地ビール、うんまっ!!エグい!うますぎるうーー!
泣いてまいそう!( ;  ; )

そして、出てきました、海自潜水艦『はくりゅう』カレー。

もちろん、大盛りで。
野菜が程よくゴロゴロ入っているカレー・・・。

う、う、う、う・・・

美味いぞーーーー!!

空腹も相まって、こんな美味いカレー食ったの、久しぶりや!( ;  ; )

こんなカレーを毎週食えるなら、今から潜水艦乗ってもいいかも!

鉄のくじら館で案内していた担当のデブ隊員も、カレー食いすぎてあの体型になったのに違いあるまい。
いやー、サイコーでした。

夕方に、広島市内へ戻り、ホテルへ投宿。
大浴場で風呂入ってサッパリした後、小1時間仮眠をし。

夜、また元気になって、お好み焼き屋さんばかり入ってる雑居ビルへ飲みに行く。

お好み焼きをつっつきながら、ひうらー伍長に仕事のグチやらを、事細かに聞いてもらう。
どデカいハイボールを、のみ飲みしながら。
ハイボールがしみりよるのうーー!

広島の夜は、お酒とお好み焼きとで、楽しく過ぎていくのでした。

翌日。

朝から広島市内はどしゃ降り。

午前中からは、広島城とか尾道とか岡山とか寄ろうと思ってたが、こりゃあいかん。

10時前まで様子見てたが、大雨の様子は変わらず。
GWの時期に珍しい大雨だ。
諦めて、とっとと新幹線乗って帰ることにした。

後半は残念なことになったけど、また広島いこう。
牡蠣も食いたいし、宮島も行きたいしね。

・・・そういや、『この世界の片隅に』の聖地巡礼のこと、すっかり忘れてた。
頭の中が、カレーでいっぱいになってたからなー。

飢えって恐ろしいですよね!


【おしまい】